くまさんとはちみつ

＊ ページ37

Side: RED


地下のスタジオに響く、6人の靴が擦れる音。R&Bの鮮やかなリズムに乗って身体を軽快に動かす。


今日は夜まで6時間コース。
数曲通せば汗がダラダラと流れる。



“20分休憩入りまーす”


仲良しの振付師さんがどこかに消えて、もわっとした空気に溢れる軽い愚痴。

Blue『はぁ、、流石にしんどい』

Pink『今日スパルタじゃない？やばいんだけど』

Yellow『あと3時間とか無理〜〜〜』


水を飲んで、勢いよく床に寝そべる。


「冷たぁーーいAHAHAHAHAHA」



ゴロゴロと回転してふざけてると何かが脚にぶつかった。

「ん？」

顔をパッと上げてみると、慎太郎が突っ立ったまま荒い呼吸をしている。


「慎太郎？どした？」

急いで立ち上がって声をかけても、俯いたまま顔を歪める。


両肩を掴んで名前を呼んでいたら、グラッと体が傾いて自分の方に倒れてきた。

「っ慎太郎！？しっかりして！！」


隅で集まっていたみんなも、俺の声に気づいて集まってくる。

Black『慎太郎、どうしたの！！？』

Blue『座らせよ、とりあえず』



辿々しい歩き方をする慎太郎を引っ張って椅子に誘導すれば、目眩がするのか頭をグリグリと俺の肩に押し付けてくる。


＿＿＿つらそうだな、慎太郎。


俺は、汗で束になった髪の毛を優しく撫でた。

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