くまさんとはちみつ

＊ ページ25

Side：GREEN



暖かい日差しに、目を覚ます。

溜まりに溜まった疲労から、いつもよりしっかり睡眠を取れたみたいだ。
それでも、五日間で10時間も寝てないはず。

とりあえず、顔を洗って服を着替えるか。


フラフラと洗面所まで歩き、Tシャツを脱ぐ。


…あれ。俺こんなに痩せてたっけ。

鏡に写っていたあまりにも悪い顔色を溶かすように、冷水を浴びる。


今日は、自分で向かおう。
マネージャーが迎えにきたら、絶対に休めと言われるだろうから。


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集合時間に間に合うように家を出て、タクシーを呼ぶ。
案外すぐきてくれたことにホッとし、身体を休める。


しかし次第に揺れを増す車内は、俺を休ませるどころか、宛先のない吐き気をもたしてくる。

「んっあ゛、ゃばいかもっ」

微かな声がもれる。


“この坂上がったら着きますよ”

あとちょっと。力をグッと込めて、歯を食いしばった。



やっと事務所へたどり着き、入り口まで歩く。
パスを通せば、会議室はすぐそこ。

やたら静かな廊下。やばい遅刻してるかも、と思い必死に足を動かす。



風邪を拗らせて体力を失った俺には、数メートル走ることさえも、拷問のようだった。

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