くまさんとはちみつ

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Side：BLUE



ツアーの打ち合わせをするため、事務所に向かう。
とりあえず今日は、自分たちが歌いたい曲をひたすら挙げるだけ。


送ってもらった車を降り、みんなのところに顔を出す。

「おはよー」

Red『あ、樹だ！おはよう』

Bl/Pi/Ye『おはよーー』

この感じは俺が最後かと思ったけど、一人足んないじゃん。

「ねぇ、慎太郎は？」

Black『まだ、来てないよ』

「あと1分で集合時間なのに？」


慎太郎が仕事に遅刻するなんて滅多にないから、不思議に思う。

「誰も知らないの？マネージャーは？」

Pink『今日自分で来るから良いって言ったらしいよ。だから絶対来てるとは思うんだけど』


珍しい。
なんか変だとは思うけど、気分屋な慎太郎のことだから特に気にはとめない。


そろそろ始まるから席に着こう、
と思った瞬間。

誰かが、すごい音を立ててなだれ込んできた。


Green『はぁっ、、っはぁ。おはよぅ、ござぃます、。ぉくれて、すぃません。っはぁ、ぁ』


開いた口が塞がらなかった。

会議室に、沈黙が漂う。
みんな声には出さないけど、多分同じことを考えているはずだ。



俺たちの知ってる慎太郎じゃない。

青白い顔に、ボサボサの頭。目の下にはクマができていて、目には光がない。ブカブカのパーカーを着ていてもわかる、体の薄さ。


おかしいと、この場にいる全員が思っただろう。

目配せをして、4人に合図を送る。絶対に、慎太郎から目を離さないでおこう、と。

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