【完結】愛しき実験ハムスター〈２〉【名探偵コナン】

愛してください７５ ページ32

コナンside




沖矢さんと協力した作戦は成功したようだ。

Aと手を繋ぐ安室さんをみて確信する。


『透、これ美味しいよ！』

安室「一口くれるんですか？ありがとうございます。」


向かい側に座る二人は、どこから見てもカップルだ。


＿＿＿＿＿壊したくねぇな。


Aの正体がなんでもいい。

俺たちが捕まえなくていい人物ならなんでもいい。

だからこのまま、何も起こらないでくれ。


それを願い続ける。

その願いのかいもあり、平穏無事に楽しい一時を過ごしてホテルへと戻った。


『おやすみなさい。』

安室「また明日。」


二人と別れて部屋にはいる。

ベッドの上には鞄が二つ。

博士が届けてくれたようだ。


沖矢「問題ないですね。」


室内の安全確認を終えた沖矢さんが、変性機のスイッチを切った。


コナン「何かわかった？サリトスの暗号。」

赤井「さっぱりだ、ジョディたちも苦戦しているらしい。」


目的は組織の幹部を消すことか、もっと別のなにかか．．．


赤井「Aの身元はわからないが、サリトスの家族は判明した。」

コナン「本当？！」

赤井「Ｂｅｌｌｅ(ベレ)一家。ごく普通の一般家庭で、一人息子がいたことは確かなんだが、行方不明扱いになっている。ご両親もすでに他界されていた。そこまではわかったんだが、本人の情報は特に得られなかった。」

コナン「ごく普通の一般家庭．．．そんな所で育った人が、どうして組織に？」

赤井「スリルが欲しかったと聞いたな。」


スリル？？

そんなものの為にあの組織へ？


入ったが最後、死ぬまで抜けられない黒の組織。

得られるものは一時の幸福感だけ。


そんな所にわざわざ．．．


そんなことを考えていると、スマホにメールが届いた。

安室さんからだ。


赤井さんから聞いたＢｅｌｌｅ一家の事と、サリトスの捜索が本格的に始まった事が書かれていた。



生きていると分かった今、組織もサリトスを警戒し始めたようだ。

元々サリトスは組織の情報を持ち出している。

それでも深追いなかったのは、遺体の確認がされているから。


サリトスの事が分かれば、Aの事も．．．


赤井「これまでの暗号を書き出してみるか。」

コナン「うん。」



夜はまだ長い。

この一夜で少しでも進展できたら。



そんなことを考えながら、必死に頭をまわす。

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