玖拾捌 ページ48
「A様…。」
悲しそうな鳴女さんの声がする。
「こんなの直ぐに治るよ〜!骨折してないし。大丈夫!」
鏡で見せられた肋あたりや、うで、背中は、もう赤く腫れ上がっていた。
「これをあの御方に隠すおつもりですか?」
「うん。怪我したら、無惨さんに心配かけちゃうから…お願いします…黙っていて欲しいです…」
頭を下げれば鳴女さんは、悲しそうに頷いた。
***
「はい!完了!」
明るい童磨さんの声が無限城に響き渡る。
「それにしてもAちゃん沢山腫れてたね〜!」
「…A、申し訳…ない…」
「打撲なんて、日常茶飯事だったから大丈夫だよ。黒死牟さん。」
「……」
「黒死牟さん、そんな悲しそうな顔しないでよ。」
本当は抱きしめて上げたいけど、今腕上げられないからコツン、と童磨さんの時みたいに額を付けた。
「さすがに今日は……少し痛かったから、次からは軽めでお願いします」
あははと笑いながら黒死牟さんを見れば、黒死牟さんは目を細めてコクッと、頷いた。
「さぁ、Aちゃん。問題はその腕どうするかだよ。」
そう、今も肌着の上から冷やしてる。まだ腫れてる。
つまり腕が使えない。
「腕が上げられるようになるのはどれぐらいかかるかな……?」
「多分明日が一番痛くて、その次の日からは多分まだ腫れてるだろうけど、生活に支障はないと思うね。」
「そっか、それぐらいなら大丈夫!全然問題ない!」
私はその日、無惨さんが帰ってくる前に食事を鳴女さんに手伝ってもらいながら食べ、お風呂も鳴女さんに手伝ってもらった。
「A、戻ったぞ。」
「お帰りなさい、無惨さん!」
無惨さんが腕を広げて待っているが、今日は抱きつけない。
「A…?」
無惨さんはスっと、赤い瞳を細め、眉をひそめる。
「A。来い。今すぐにだ。」
「あ、無惨さん!今日は、沢山汗かいちゃって先にお風呂に入ったんです!それで、ご飯も……」
「なぜ、今日は抱きついて来ない……。…私を嫌いになったか…?」
「そんなことは…!!」
「ではなぜ…私の元に来ない。」
無惨さんの顔が一気に不機嫌そうな顔に変わる。
「なぜ。」
ズンっと私の目の前に来て、手を伸ばす。
やばい…
「…やっめ…」
そう言いかけて、ギュッと目をつぶると、いつまで経っても何も起きない。
「…?」
ゆっくり目を開くと、
「あれ…」
目の前から無惨さんが居なくなっていた。
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秋栄 - 李由華さん» おぉぉぉ!ありがとうございます!!続編は明日の0時ぐらいには出せればなと思っております!!深夜12時ぐらいにここに来ていただけたら、多分続編行けるはずです!!しっかりと期限までに出来るように努めてまいります!コメントありがとうございました! (2020年5月3日 13時) (レス) id: c61d719ffa (このIDを非表示/違反報告)
李由華 - 続編制作頑張ってください! (2020年5月2日 21時) (レス) id: a39b69135d (このIDを非表示/違反報告)
秋栄 - 鬼小夜千夢さん» アニメOPでも、少ししか映らないのにカッコ良さは際立って…もう無惨様は美しくカッコイイですよね!この作品でそう思っていただけたのなら光栄です! (2020年4月30日 15時) (レス) id: c61d719ffa (このIDを非表示/違反報告)
秋栄 - ひろかさん» 鳴女ちゃん本当に可愛いですよねっ(*´▽`*)私も大好きなんです! (2020年4月30日 15時) (レス) id: c61d719ffa (このIDを非表示/違反報告)
鬼小夜千夢 - 無、無惨様!死にそうなぐらいかっこいいし……あぁもう死にそう(//∇//) (2020年4月29日 17時) (レス) id: 998332dba8 (このIDを非表示/違反報告)
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