伍拾参 ページ3
黒死牟side
「……A。」
「……。」
返事がなく、Aの顔を見れば泣き疲れたのだろうか。ぐっすりだ。
彼女の顔はまだ涙に濡れており、首元などは着物がはだけ血だらけ。足からも血が出ていて。
夜の町をこのままフラフラするのはとても危険だ。私が居るとしても鬼が寄ってきてしまう。
「…はぁ。」
あの者に頼むしかない。
そう決めて走り出すのだが、血を流した人間の小娘を…美味しそうに見えないはずがない。
「……っ。」
先程の無惨様と同じになってしまう。
紅潮した頬のAが涙を流しながら私に助けを求めた目……忘れたのか。…忘れられるわけない。
堪えろ。堪えろ。堪えろ。
何度もそう言い聞かし、童磨の元へ向かう。彼奴の所はAの血を止血できるだろう。綺麗な布、水など整っているはずだ。
立派な建物が見えてきて、私はどうやってAを童磨の所に引渡すか考える。
私が行けば信者のやつを何人か、いや、ほぼ全員殺すしか無くなる。
「……A、A、起きろ。」
「……黒死牟さ……痛っ……」
目覚めてから急に全身の痛みがやってきたのだろう。Aの目が涙目になっていく。
「……あの建物の中に行って…教祖様に会いたいと言えば童磨に会える…そして傷も治して貰えるだろう。」
「っ…童磨さん？会いに行ってもいいのかな……？あんなに無惨さん怒ってて……」
「…今、童磨の所に行かねば、傷口を放置することになる…仕方ない事だ。」
Aは分かった！と言って頷いた後、
「さっき、助けてくれてありがとうっ……黒死牟さん。」
Aは笑って言った。
傷口が痛むなのに。
「……どうかあの御方を嫌いにならないで欲しい……」
「無惨さんを嫌いになんてなれないよ。」
「…？」
「さっきのは怖かったけどね……嫌いなんて感情何処にもなかったの！」
Aは私の腕の中から出て、右足を押さえながら立った。
「門まで私が…」
「ううん。あそこの人達に気づかれたらまずいでしょ？大丈夫っ！一人で行ける！」
私は無言でAの着物を軽く整えた。
はだけたままは危険だ。
「着物まで整えてもらっちゃって……ありがとう黒死牟さん。行ってくるね。」
Aは手を振りながらゆっくり歩き出した。
周りに鬼が来ないか十分に注意し、Aが信者の者に中に入れられるまで見届けた。
「血…」
着物を整える際についた血。
これぐらいは許して貰えるだろうか……。私はそっと舐めた。
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秋栄 - 李由華さん» おぉぉぉ！ありがとうございます！！続編は明日の0時ぐらいには出せればなと思っております！！深夜12時ぐらいにここに来ていただけたら、多分続編行けるはずです！！しっかりと期限までに出来るように努めてまいります！コメントありがとうございました！ (2020年5月3日 13時) (
レス) id: c61d719ffa (このIDを非表示/違反報告)
李由華 - 続編制作頑張ってください！ (2020年5月2日 21時) (レス) id: a39b69135d (このIDを非表示/違反報告)
秋栄 - 鬼小夜千夢さん» アニメOPでも、少ししか映らないのにカッコ良さは際立って…もう無惨様は美しくカッコイイですよね！この作品でそう思っていただけたのなら光栄です！ (2020年4月30日 15時) (レス) id: c61d719ffa (このIDを非表示/違反報告)
秋栄 - ひろかさん» 鳴女ちゃん本当に可愛いですよねっ(*´▽｀*)私も大好きなんです！ (2020年4月30日 15時) (レス) id: c61d719ffa (このIDを非表示/違反報告)
鬼小夜千夢 - 無、無惨様！死にそうなぐらいかっこいいし……あぁもう死にそう(//∇//) (2020年4月29日 17時) (レス) id: 998332dba8 (このIDを非表示/違反報告)
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