喧騒 ページ33
ああでもないこうでもないと短い時間で頭を回転させるAの横で、絞り出すように喘いだ声はトールのものだ。
「トール……？知ってるの？」
何を、などと言わなくてもわかる。
「あいつらは……賞金稼ぎだ……あいつらがコロシアムの大会に出たら誰も勝てねぇ、勝てた試しがねぇんだ」
噂じゃコロシアム側の人間が金の流出を抑えるために雇ってる連中だとも言われてる。
そう付け加えたトールは恐れとも違う、何か怒りのような感情を孕んだ視線を突き刺している。
そんな話題の中心である二人組はA達のすぐ横にあるテーブルについた。
「ったく……まさかこんなのまで出場するなんて……」
トールは真後ろの甲冑達に聞こえない程の声量で小さく毒づく。
しかし当のアスールは先程までと何も変わらぬ様子で悠々と骨を噛み砕いている。
「まあいいや、ところでA達は金が手に入ったらどうするつもりなんだ？
あ、いやもし言いたくないんだったら無理に聞かないぜ」
「どう、する……」
突然振られた話題にAの頭はフリーズする。
自分がこの街に来ようと思ったのも、ただマーカスがそうしようと言っていたからに過ぎない。
僕はただ……あそこから逃げ出せれば何でも良かった
その後のことなんて、何も……
あの時竜に願ったことも、取り敢えずすぐそこにある隣の国まで行きたいと言っただけだ
あれ、じゃああの時の契約はもう済んでる……？
ならどうしてアスールはまだ共にいてくれようとするのだろう。
僕が見返りに何か支払えるものができるまではついてくるということなのだろうか？
黙りこくるAにアスールが声をかけようと口を開いたその時
「ん？A？お前達今Aと言ったか？」
無機質でいて静かな声がした。
発したのは“賞金稼ぎ”の片方。
飲食店の中にいるというのに頑なに外されないヘルムがこちらを見据えていた。
呆気にとられる三人をよそに、もう片方の男も驚きの声をあげる。
「おお、本当にAじゃないか。久しいな、ということはそっちの二人は店の者か？随分と物々しい奴らを雇うようになったんだな」
Aの肌が粟立つ。
どうやらこの二人は昔来た客らしい。
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あああああ(プロフ) - kohakuさん» コメントありがとうございます！とっっっっっっっても嬉しいです！！！続きは鋭意執筆中ですのでもうしばらくお待ち頂けたら、と思います！あまり時間がかかり過ぎないよう頑張ります！ (2021年3月25日 23時) (
レス) id: 1513927827 (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - とても素敵な物語に引き込まれました、続きが楽しみです！更新頑張ってください！ (2021年3月21日 21時) (レス) id: 5df933aa41 (このIDを非表示/違反報告)
あああああ(プロフ) - 紅紫（（うっせぇわさん» とても沢山のお褒めの言葉、ありがとうございます！これから続編へと入るのでこれからもどうか宜しくお願いします！ (2021年3月15日 3時) (レス) id: 1513927827 (このIDを非表示/違反報告)
紅紫（（うっせぇわ - なんて言ったらいいんでしょう。凄くこのお話の中に吸い込まれていって自分がそこにいるかのような…表現の仕方とか自分がしっかりとそこにいるような。これらをまとめて『GOD作品』と言う。辞書で調べて下さい。出てきます。 (2021年3月10日 21時) (レス) id: 37c73b0d69 (このIDを非表示/違反報告)
あああああ(プロフ) - wyさん» コメントありがとうございます！あまりにも嬉しくて手が震えてます…最近は更新頻度が落ちてきてますが、ちゃんと最後まで続けますのでこれからもよろしくお願いします！ (2019年9月8日 14時) (レス) id: 1513927827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あああああ | 作成日時：2019年4月21日 20時
