永き神話の果て ページ25
「え、いや……なん、で」
ずっと娼館で働いていたAはドラゴンを目にしたのは初めてだった。
もっとも、ドラゴンなどという生物は一般人はおろか冒険者だって見たことのある者の方が圧倒的に少数派だ。
しかしドラゴンという生き物がいるらしいということは誰だって知っている。
それは人伝に聞いた話だとか、幼い頃に読み聞かせられた絵本の話だとか、とにかく人気のある存在なのである。
畏怖されるべき力の象徴であり、時に人に牙を剥き
時に人を助く彼らは非常に優秀な語りのスパイスだ。
Aもそういった訳で、人並みにはドラゴンの存在は知っていた。
知ってはいたが、まさか自分が生きている内にそんな空想上の生き物めいたドラゴンと相対しようとは考えてもいなかった。
後ろ手をつき、めいっぱいに上体を反らしながらAは何とか返事をする。
蒼竜はそんなAの驚きを知ってか知らずか、その巨大な顎を薄く開く。
「……何故？おかしなことを聞くものだな。貴様は俺の眠るこの地にわざわざ訪れ、助力を嘆願しただろう。
故に俺が顕現した。何を助けろと言うのだ、と聞いている」
……まさか。ここがドラゴンの眠る地だったなんて
しかもさっきの僕の独り言に反応して出てきちゃったの？
「え、と……ごめん、なさい。そんな、ここに君が眠ってたなんて知らなくて……」
「ほう。知らずに辿り着いたのか。
俺が眠りについてから何百年経ったか知らぬが、よもや結界が衰えた訳ではあるまい」
け、けっかい……？普通に入れたんだけど……
いや、だから魔物とか動物とかが一匹もいなかったのか……？
こいつの口ぶりからすると人もその限りじゃないみたいだけど……
別働隊が来ないのはその結界とかいうやつのおかげ？
それとは関係なく入り口があそこしかなかっただけ？
マーカス達が死んだのはその結界とかいうやつのせいで……？
Aがぐるぐると思考を巡らせていると
蒼竜はふむ、と頷いた。
「良かろう、気に入った。やはり俺の力を貸してやろう
何なりと望みを言え」
「あ……あの、じゃあ一つ聞きたいんだけどその結界っていうのはどういう……？」
「いや何、俺に“用のある者”しかここへ来れんようになっているだけだ。
貴様が通ってきた道ももうすぐ塞がりここは完全に閉ざされた空間と成る」
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あああああ(プロフ) - kohakuさん» コメントありがとうございます！とっっっっっっっても嬉しいです！！！続きは鋭意執筆中ですのでもうしばらくお待ち頂けたら、と思います！あまり時間がかかり過ぎないよう頑張ります！ (2021年3月25日 23時) (
レス) id: 1513927827 (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - とても素敵な物語に引き込まれました、続きが楽しみです！更新頑張ってください！ (2021年3月21日 21時) (レス) id: 5df933aa41 (このIDを非表示/違反報告)
あああああ(プロフ) - 紅紫（（うっせぇわさん» とても沢山のお褒めの言葉、ありがとうございます！これから続編へと入るのでこれからもどうか宜しくお願いします！ (2021年3月15日 3時) (レス) id: 1513927827 (このIDを非表示/違反報告)
紅紫（（うっせぇわ - なんて言ったらいいんでしょう。凄くこのお話の中に吸い込まれていって自分がそこにいるかのような…表現の仕方とか自分がしっかりとそこにいるような。これらをまとめて『GOD作品』と言う。辞書で調べて下さい。出てきます。 (2021年3月10日 21時) (レス) id: 37c73b0d69 (このIDを非表示/違反報告)
あああああ(プロフ) - wyさん» コメントありがとうございます！あまりにも嬉しくて手が震えてます…最近は更新頻度が落ちてきてますが、ちゃんと最後まで続けますのでこれからもよろしくお願いします！ (2019年9月8日 14時) (レス) id: 1513927827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あああああ | 作成日時：2019年4月21日 20時
