永き神話の果て ページ24
「はぁ……どうしよう……」
光を辿って来たのに外へは続いていなかった。
Aの当面の目的はこの洞窟から出て、あわよくば隣国へ行くことである。
取り敢えず元来た道を引き返す……か？
でも日が昇ったとはいえ洞窟内が明るくなることはなかった……
あ、そういえば「迷路は壁に片手をついて歩いていればいつか必ずゴールへ辿り着ける」
って客の誰かが言ってたなぁ
それをやればきっと外に…… 出口があればの話だけど
これほどの時間が経っているというのに、追手の別働隊が洞窟に入ってきた気配もしない。
もしかしたらこの洞窟の出入り口はマーカスが塞いだあの一箇所だけだったのかもしれない。
「……少し、疲れてきちゃったなぁ」
Aは仰向けに倒れ、目を閉じた。
顔に光が当たり、目を閉じて尚視界が薄く白くなる。
「マーカス……」
そういえば、最後にマーカスに僕の目見せちゃったけど、いつもみたいにならなかったな……
やっぱりマーカスは凄いなぁ……
いつも優しくて強くて頼りになって
そんな彼はもう……
今まで押さえ込んでいた感情が突然膨れ上がってきた。
寂寥、そして絶望。
「神様でもなんでもいいから誰か……誰か助けてよ……」
ああ、あまりにも甘えた言葉だ。
自分だけでは何もできないからといって、自分以外の全てに期待している。
でもこんな場所じゃ誰も聞いてないから、こんな時ぐらいは許してくれるよね。
許してくれる……
……誰が？
誰……？
駄目だ、疲れていて考えがまとまらない
Aは体を起こし目を開けた。
すると目の前に青い鱗があった。
比喩ではない、先程まで岩しかなかった空間に、鱗が出てきたのだ。
更に言うとそれは鱗ではなく……。
「おい貴様、望みを言え」
頭を上げる。
「ドラ……ゴン………？」
そこには巨大な爬虫類を思わせる、巨大生物。
恐ろしくも偉大なりし竜が、こちらに向かい座していたのだ。
え……ドラゴン……？なんで？
いつの間に？どうして？
ていうか望みって何？何の話？
「なんだ？どうした、望みは何だ？」
蒼き竜が小首を傾げる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 159人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あああああ(プロフ) - kohakuさん» コメントありがとうございます！とっっっっっっっても嬉しいです！！！続きは鋭意執筆中ですのでもうしばらくお待ち頂けたら、と思います！あまり時間がかかり過ぎないよう頑張ります！ (2021年3月25日 23時) (
レス) id: 1513927827 (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - とても素敵な物語に引き込まれました、続きが楽しみです！更新頑張ってください！ (2021年3月21日 21時) (レス) id: 5df933aa41 (このIDを非表示/違反報告)
あああああ(プロフ) - 紅紫（（うっせぇわさん» とても沢山のお褒めの言葉、ありがとうございます！これから続編へと入るのでこれからもどうか宜しくお願いします！ (2021年3月15日 3時) (レス) id: 1513927827 (このIDを非表示/違反報告)
紅紫（（うっせぇわ - なんて言ったらいいんでしょう。凄くこのお話の中に吸い込まれていって自分がそこにいるかのような…表現の仕方とか自分がしっかりとそこにいるような。これらをまとめて『GOD作品』と言う。辞書で調べて下さい。出てきます。 (2021年3月10日 21時) (レス) id: 37c73b0d69 (このIDを非表示/違反報告)
あああああ(プロフ) - wyさん» コメントありがとうございます！あまりにも嬉しくて手が震えてます…最近は更新頻度が落ちてきてますが、ちゃんと最後まで続けますのでこれからもよろしくお願いします！ (2019年9月8日 14時) (レス) id: 1513927827 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あああああ | 作成日時：2019年4月21日 20時
