ブッ飛んじまいな ページ20
何という偶然、何という不運など嘆く事無かれ。
彼ら無頼漢も当てずっぽうに走り回ってここを見つけた訳ではないのだ。
それは男達の一番後ろに控えている黒いローブで全身を覆い隠している男。
彼は魔法省と繋がりを持つ魔導師である。
魔法省は国の機関の一つである。
近年、人が持つ魔力や物に込められた魔力を感知しその方角を探知できる新しい技術が開発された。
そういった新しい技術というのは、一般人はおろか生半可な貴族ですら知り得ない情報である。
つまり“こうなることは必然であった”。
「おいおい、なんだぁお前怪我してるのかよ！しかもあいつが射った矢と全然関係ない怪我じゃねぇか！」
「ダサすぎんだろ！こいつは傑作だぜ！」
下品極まりない笑い声が洞窟の壁にブチ当たり、わんわんと反響していく。
Aは思わず耳を抑えたくなったが、マーカスから手を離せなかった。
当のマーカスは真顔で正面を見据え、Aに奥へ行くよう促す。
「さて、大変盛り上がっていらっしゃるところ申し訳ないのですが、一つお話をさせて頂いても？」
マーカスはAを背に庇い、スッと前へ出ると饒舌に語り始めた。
Aは背を向けて洞窟の奥へと通じるいくつもの道の中から適当な一つに走り込む。
行きたくはなかったが、今はもうそんなことを言っていられる時間は無くなったのだ。
「なんだよ時間稼ぎか？んなもんやったって今更どうにもならねぇぞ」
「まあまあそう仰らずに、とても面白いお土産があるんですよ、ほら」
マーカスは腰帯に手挟んでいた一つの書状をくるくると広げてみせた。
「これはですね、王派閥の息がかかったとある憲兵団にあったものなんですが……私達が構えていた辺り一帯の店の税金に関する書類なんですねー」
この国では、税金を納めた証書は期日に国の兵が回収しその日の内に都へと持っていく方式だった。
この提出が遅れると国は軍を動かす。
税金を払わないとどうなるか、その兵を襲うとどうなるか、その他正式な手順を追えない者達がどうなるか
国民全員に見せしめるためだ。
「なっ……！なんでお前がそんなもの持っていやがる！」
「さてねぇ、どうしてでしょう？」
つまり程なくして国の軍が自分達を捜しにやってくるということだ。
男達──若干名の頭が弱い者を除いて──の血がザッと引く音がした。
マーカスの唇の端が薄く吊り上がり鋭い犬歯が顔を出す。
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あああああ(プロフ) - kohakuさん» コメントありがとうございます！とっっっっっっっても嬉しいです！！！続きは鋭意執筆中ですのでもうしばらくお待ち頂けたら、と思います！あまり時間がかかり過ぎないよう頑張ります！ (2021年3月25日 23時) (
レス) id: 1513927827 (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - とても素敵な物語に引き込まれました、続きが楽しみです！更新頑張ってください！ (2021年3月21日 21時) (レス) id: 5df933aa41 (このIDを非表示/違反報告)
あああああ(プロフ) - 紅紫（（うっせぇわさん» とても沢山のお褒めの言葉、ありがとうございます！これから続編へと入るのでこれからもどうか宜しくお願いします！ (2021年3月15日 3時) (レス) id: 1513927827 (このIDを非表示/違反報告)
紅紫（（うっせぇわ - なんて言ったらいいんでしょう。凄くこのお話の中に吸い込まれていって自分がそこにいるかのような…表現の仕方とか自分がしっかりとそこにいるような。これらをまとめて『GOD作品』と言う。辞書で調べて下さい。出てきます。 (2021年3月10日 21時) (レス) id: 37c73b0d69 (このIDを非表示/違反報告)
あああああ(プロフ) - wyさん» コメントありがとうございます！あまりにも嬉しくて手が震えてます…最近は更新頻度が落ちてきてますが、ちゃんと最後まで続けますのでこれからもよろしくお願いします！ (2019年9月8日 14時) (レス) id: 1513927827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あああああ | 作成日時：2019年4月21日 20時
