今日:7 hit、昨日:17 hit、合計:14,930 hit
小｜中｜大
中也が帰った線路上で、御阿礼は正座をしながら与謝野に死ぬほど怒られていた。
「何回も云った筈だよ！命を粗末にするな、って！アンタは妾達を守ろうとしたンだろけど、それは望んで無い。その行動で何回妾の心臓が止まりそうになったか…」
「すみません…」
「万が一、彼奴が帰らなかったらどうしていた？本当に死ぬかもしれなかったんだよ！」
与謝野が怒るのも無理は無い。
本当に命を落とす可能性もあり与謝野が一番嫌いなこと…命を粗末にする行動をしたのだから。
「えっと…その時は、その時で……」
「その時で？能力は使うつもりだったのかい？」
「いえ…そのつもりは、ありませんでした」
モゴモゴ…と気まずそうに話す御阿礼に、与謝野は呆れ深い溜息をつく。
稗田御阿礼は極端だ。
傍からみれば運動神経もよく、頭もよく、強い異能を持つ完璧超人なのだがそれは違う。
異能には重い代償があるし、運動神経の方も良いのだが球技は壊滅的に下手。頭も焦るとIQも低くなり一つの事しか考えられなくなる。
昔はそんな事はなかったのだが…まあ、事情が事情だった。
「ったく…今回はこの状況だから許すけど、戦争の勢いが弱まったら探偵社の皆に話すから」
「ゑ」
「それでも妾の怒りは収まらないからね。１０回の治療で手を打つ」
「ゑ」
涙目になりながら後ろに居る賢治に、助けを目で訴える御阿礼。
「賢治に助けを求めても無駄だよ。勿論此方側だから」
《それには僕も賛成。与謝野さん、戦争が終わったら思う存分に治療してよ》
「乱歩さん！？」
「云われなくてもそのつもりだよ。乱歩さん」
御阿礼セコムの一員である乱歩から許可も降り、ニヤァ…と笑う与謝野。
笑っている与謝野を見て、その笑顔はこの世の者じゃない…！と後日御阿礼は語った。
そんな会話をしていると福沢がカメラ越しで、事務員が無事だという連絡が入ったらしい。然しマフィアはそんな生温くなく、一人の異能者を送り込んだ、との事。
《そこで我々は異能特務課と交渉を行う》
【内務省異能特務課】
それは異能犯罪を取り締まる内務省所属の異能秘密組織。
表向きには存在していない事になっているが、危険異能者を監視しているエージェントも居る。政府組織を三組織異能力戦争に巻き込むらしい。
一難去ってまた一難。
果たしてどのように政府を巻き込み、早くこの戦争を終わらせる事が出来るのだろうか。
「…安吾さん」
御阿礼の呟いた言葉は誰にも聞こえることはなく、泡のように消えた。
【１６章１０話】The strategy of conflict ページ42
中也が帰った線路上で、御阿礼は正座をしながら与謝野に死ぬほど怒られていた。
「何回も云った筈だよ！命を粗末にするな、って！アンタは妾達を守ろうとしたンだろけど、それは望んで無い。その行動で何回妾の心臓が止まりそうになったか…」
「すみません…」
「万が一、彼奴が帰らなかったらどうしていた？本当に死ぬかもしれなかったんだよ！」
与謝野が怒るのも無理は無い。
本当に命を落とす可能性もあり与謝野が一番嫌いなこと…命を粗末にする行動をしたのだから。
「えっと…その時は、その時で……」
「その時で？能力は使うつもりだったのかい？」
「いえ…そのつもりは、ありませんでした」
モゴモゴ…と気まずそうに話す御阿礼に、与謝野は呆れ深い溜息をつく。
稗田御阿礼は極端だ。
傍からみれば運動神経もよく、頭もよく、強い異能を持つ完璧超人なのだがそれは違う。
異能には重い代償があるし、運動神経の方も良いのだが球技は壊滅的に下手。頭も焦るとIQも低くなり一つの事しか考えられなくなる。
昔はそんな事はなかったのだが…まあ、事情が事情だった。
「ったく…今回はこの状況だから許すけど、戦争の勢いが弱まったら探偵社の皆に話すから」
「ゑ」
「それでも妾の怒りは収まらないからね。１０回の治療で手を打つ」
「ゑ」
涙目になりながら後ろに居る賢治に、助けを目で訴える御阿礼。
然し、その願いも虚しく与謝野に一刀両断されてしまう。
「賢治に助けを求めても無駄だよ。勿論此方側だから」
《それには僕も賛成。与謝野さん、戦争が終わったら思う存分に治療してよ》
「乱歩さん！？」
「云われなくてもそのつもりだよ。乱歩さん」
御阿礼セコムの一員である乱歩から許可も降り、ニヤァ…と笑う与謝野。
笑っている与謝野を見て、その笑顔はこの世の者じゃない…！と後日御阿礼は語った。
そんな会話をしていると福沢がカメラ越しで、事務員が無事だという連絡が入ったらしい。然しマフィアはそんな生温くなく、一人の異能者を送り込んだ、との事。
《そこで我々は異能特務課と交渉を行う》
【内務省異能特務課】
それは異能犯罪を取り締まる内務省所属の異能秘密組織。
表向きには存在していない事になっているが、危険異能者を監視しているエージェントも居る。政府組織を三組織異能力戦争に巻き込むらしい。
一難去ってまた一難。
果たしてどのように政府を巻き込み、早くこの戦争を終わらせる事が出来るのだろうか。
「…安吾さん」
御阿礼の呟いた言葉は誰にも聞こえることはなく、泡のように消えた。
.【梶井基次郎】→←【１６章９話】The strategy of conflict
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 56人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
えぼし(プロフ) - 月華さん» わかります東方と文ストっていいですよね。話を面白いと言ってくれてありがとうございます！ (2022年7月17日 16時) (
レス) id: 0e1ad52da6 (このIDを非表示/違反報告)
えぼし(プロフ) - 忍狼さん» よろしいと思いますよ (2022年7月17日 16時) (レス) id: 0e1ad52da6 (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - こんばんはです！東方と文スト大好きで、えぼしさんのこのお話も面白くて大好きです！続きを楽しみにしてます！ (2022年7月16日 23時) (レス) id: 216fbd3da5 (このIDを非表示/違反報告)
忍狼 - 無理なら良い!頑張っててね! (2022年7月16日 18時) (レス) id: aba775bb80 (このIDを非表示/違反報告)
忍狼 - 僕が更新に合作します?銀魂+たくっちの合作で。僕が作りますのでよろしい? (2022年7月15日 16時) (レス) id: aba775bb80 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：えぼし | 作成日時：2022年7月14日 18時
