高貴な僕ら

14 スンヨン ページ14

Aの手のひらは



深い切り傷が数箇所あった





ものすごく痛そうにしているA





痛いなら最初からこんなことするなよってな




とか思ったけど




昨日は痛くなかったらしい






昨日…何があったんだろうか？





「ひどくなったら大変だからとりあえず病院行ってね」と言われ保健室を出る





「絶対もう行かない…痛すぎる…」





涙目になりながら手のひらを見つめるA





「何をどうしたらそんな傷ができるの？」




「ガラスを握る…？(笑)」




「なにしてんのマジで」




あはははっと笑ってるA





「スンウさんは私と似てると思ってたけど…全然違ったんだよね」




というA




「スンウさん、次期社長候補のサランの婚約者なんだって」




その言葉に驚く




「スンウさん、《復讐》するんだって」




「《復讐》…？」




「もう、わけわからないや(笑)」




そう泣きそうに笑うAに苦しくなった






「信じれる人は…誰もいない」





「俺は…」





「分からない…私が裏切りそうで怖い」






その言葉に少し悲しくなったけど




何よりも…





この世界に生きていることが問題なんだよな




鳥籠のなかから出して貰えない



そのまま死んでいくような






高貴な僕らだから…

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