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鬼狩り3 ページ4

「どうゆう状況?」


仲間が取っ組み合いのケンカをしてました。


しかも二人はAの存在にも気づいていない。若干ショックに思いつつ二人の名前を呼ぶが全く気付かない。


どんだけ白熱した取っ組み合いしてんの?


柱同士と言うこともあり、少し興味が湧いたAは喧嘩を止めようとはせず眺めることにした。


少し距離がある為会話の内容は聞こえないが、何やら冨岡がショッキングな表情をした。


しのぶちゃん、冨岡に嫌われてるとか言ったんだろうなぁ。


また気にしてる事を。溜息を付く。


しばらく二人の取っ組み合いを見れると思っていたが、しのぶが草履の間から武器を出したことによってAは喧嘩を止めざるを得なくなった。


「はいはい。二人ともそこまで」


「Aさん!」


二人は突然現れたAに驚いていたようだが、初めからいた本人にしたら悲しいだけだ。


「伝令!!伝令!!伝令アリ!!炭治郎・禰豆子両名ヲ拘束。本部へ連レ帰ルベシ!!」


どうやって二人を説得しようか考えていると、鎹鴉がAの肩に止まりお館様からの伝令を伝えた。


恐らく今名前が上がった二人が今回の取っ組み合いの原因となったのだろう。


「聞こえたでしょ」


「……はい」


武器をしまったしのぶは未だに腑に落ちない顔をしている。冨岡はあいも変わらずの無表情。


こりゃ、面倒事が起きたな。


頭を搔きながらAはそう思った。




「鬼を連れた剣士ぃ?」


頷いたしのぶの顔はいつもと違い、険しかった。


まぁ、無理もないだろうとAは思う。最愛の姉を鬼に殺されいるしのぶは心の底から鬼を恨んでいる。鬼と仲良くすると言っているがその心情は誰にも分かりまい。


今回の一件は鬼を憎む者からしたら許せない事であろう。鬼狩りである者が鬼を連れている。


「皮肉なことだ」


「Aさんは何とも思わないんですか?」


怒っているような声音にAは苦笑いをしながら答える。


「うーん。大丈夫なんじゃないかな」


Aの『大丈夫』は確信している様に聞こえた。


だからしのぶは理由を聞こうとして止めた。


窓の外を眺める。


恐ろしいくらいに美しい月がAを照らした。

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作者名:あめだま | 作成日時:2019年7月13日 15時

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