まったく、単純なヤツ ページ43
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「──私が知ってる甚爾くんはね。酷く愛おしげにAちゃんの事を話すの」
唐突に暴露されたソレに、目を見開く。
そんな、凛生さんの前で私の話をしてたの？思わずマジマジと彼女を見つめる私を見兼ねてか、いつでも話すの、デート中でもね。と悪戯に笑う彼女に、面をくらった。
デート中に何してるんだという驚愕と、まだ私はパパの一番なのかという期待と歓喜。それを否定するようにかぶりを振っても、私にとって都合のいいソレは脳内をぐるぐると駆け巡る。
「何か話してよ、って言うと必ず始まるのが娘自慢なのよ。
ポツポツと話すけれど、いつもの彼から想像もつかないくらい優しい声をしてるから…初めて聞いた時は吃驚したけど、納得もしたの。こんなに慕ってくれる娘がいたら、そりゃあ親バカにもなるわってね」
クスクスと笑う彼女の言葉に、心はどんどん浮ついていく。蟠りが、一つ一つ、丁寧に解かれてゆく。
「甚爾くんは、Aちゃんのお父さんなのよ」
愛言葉よりも甘美な響き。都合良く解釈してしまいそうになる、私だけに向けられた、多幸感を含んだ慰安。
────綺麗事を言葉にしただけなのに、こんなにも救われるものなのかしら。
そうして考えあぐねて、俯きかけていた顔をあげた。彼女の携帯が鳴ったので。
懐から魚のキーホルダーが付いた携帯を取り出すと、彼女はギョッと目をひん剥いた。それから信じられないとでも言うように「ごじゅうさん…」と呟く。何かの数字だろうか。
首を傾げ、問おうとした言葉は、口先から出ることなく引っ込んだ。その代わり ひゅっ、と喉が嫌な音を立てる。
目の前にいる彼女の先で、渦中の男が、珍しく怒気を含んだ瞳でこちらを見つめていたから。
『……ぱ、パパ？』
取り敢えず呼びかけてみる。返事はなかった。無言でこちらに歩み寄ってくる。
あぁコレは大層ご立腹だな、と悟った。勝手に凛生さんがいなくなったからだろうか。束縛の激しい男は嫌われちまうよパパ、なんて意味の無い現実逃避をしてみるも、現状は変わらないわけで。
頭の中で言い訳を考えてみる。勝手に居なくなってごめんねパパ、でも私より凛生さんの方が大切でしょ。
最早 言い訳ですらないし、みっともない嫉妬が全面に押し出されてる。ウム。ダメである。
もう諦めよう──そう、そっと目を閉じた時、鼻腔をくすぐった柔軟剤のフローラルな匂い。
それが家で使っている物と同じ物だと気付き、目を見開いた。
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狐(プロフ) - 初コメです！失礼します！夢主も伏黒甚爾もめちゃくちゃ可愛すぎませんか！？吐血じゃないですけどゴフッって空気吐くくらい可愛いです！めちゃくちゃ応援します！更新頑張ってください！ (12月30日 3時) (
レス) @page48 id: 17039bfc90 (このIDを非表示/違反報告)
れれ(プロフ) - もうまって大好きです面白いと可愛いの大渋滞です…！！続編いつまでもまってます！ (12月26日 4時) (レス) @page48 id: 9c9eeae16e (このIDを非表示/違反報告)
望奈 - おもろすぎん。 (12月8日 22時) (レス) @page48 id: 8b146cc8f6 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します！めっちゃ好きです…！！パパ黒との絡みがてぇてぇ過ぎて吐血するかと思いました()更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (11月30日 20時) (レス) id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
ずんだぁ - 投稿楽しみにしてます！！ (11月26日 20時) (レス) @page48 id: f8f579a222 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イケメンになりたい。
| 作成日時：2021年1月13日 22時
