広い世界のお独り様 ページ40
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最悪だ。
今の私の気持ちを一言で表すなら、きっとこの言葉が一番当て嵌る。
「あれ、甚爾くん…と、Aちゃん？」
「あ゛？…ンだ、お前かよ」
見覚えのある特徴的な頭に、思わず頭を抱えそうになったところを何とか留まる。
そんな私の事なんぞ露知らず、彼女は私達の元へと駆け寄ってきた。正確には父に、だろうが。
…思えば、今日は凛生さんとの約束が無い日ではなかっただろうか。
凛生さんとの約束がなくとも、父は花束や贈り物を持って、彼女に会いに行くような素振りを見せていた。
でも今日はそれが無かった。朝は「アイツとの約束がある」と支度をしていなかったし、昼になっても「アイツと飯食ってくる」と声をかけてこなかった。
…それってつまり、凛生さんとの約束がないから誘っただけのただの暇つぶしで、私は凛生さんよりもパパにとっての惹かれる存在じゃないって事じゃん。
グルグルと余計な考えが頭を回る。そんな事ないと自分を騙す余力が、確信が、今の私には無かった。
いや違う。分かってた、分かってたんだ。
あの夜だってそう確信した、仕方ないと割り切って自分を無理やり納得させた。
それなのに何故。どうしてこんなに。
ぼうっと突っ立ってる私の耳に、父と彼女の会話が入ってくる。
あぁ、楽しそうだなぁ。いいなぁ。
好奇心で父達を見上げたのがいけなかった。
────凛生、と。父が静かに彼女の名を呼んだ。
まるで愛しい人を見るように優しく、熱を孕んだ瞳で。優しく微笑む父の姿に、頭を鈍器で殴られたような衝撃が走った。
…知らない。こんなパパ、私は知らない。
こんなに優しい表情も、あんな眼差しも、全部全部全部全部全部。
『………なにそれ。』
逃げ出してしまいたかった。こんな地獄の空間から、裸足のままでも。
「…A、………おい、A」
『っ…ん、うん？どうしたの、パパ』
「飲み物買ってきてやる、選べ」
『…じゃあ、オレンジ』
ナツちゃんのがいい、と笑うと父は私の顔をじっと見てからガサツに頭を撫でると、売店へと向かった。
…笑顔が変だったのがバレたかと。気づいてくれないのは、それはそれで寂しいけど。
さて。この空間には私と凛生さんの2人だけだ。
私は話すことが無いし、…というか気まずいし。どうやってこの時間を乗り越えようとぼんやり考えていると、彼女は私の手を取り言い放った。
「ねぇ、内緒でお昼ご飯食べに行かない？」
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狐(プロフ) - 初コメです！失礼します！夢主も伏黒甚爾もめちゃくちゃ可愛すぎませんか！？吐血じゃないですけどゴフッって空気吐くくらい可愛いです！めちゃくちゃ応援します！更新頑張ってください！ (12月30日 3時) (
レス) @page48 id: 17039bfc90 (このIDを非表示/違反報告)
れれ(プロフ) - もうまって大好きです面白いと可愛いの大渋滞です…！！続編いつまでもまってます！ (12月26日 4時) (レス) @page48 id: 9c9eeae16e (このIDを非表示/違反報告)
望奈 - おもろすぎん。 (12月8日 22時) (レス) @page48 id: 8b146cc8f6 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します！めっちゃ好きです…！！パパ黒との絡みがてぇてぇ過ぎて吐血するかと思いました()更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (11月30日 20時) (レス) id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
ずんだぁ - 投稿楽しみにしてます！！ (11月26日 20時) (レス) @page48 id: f8f579a222 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イケメンになりたい。
| 作成日時：2021年1月13日 22時
