131:ポケットのラムネ ページ38
竜胆がオフィスに戻ってきてドアを開けようとしたところ、不意にドアが開いた。
『あ、竜ちゃん、おかえりー』
ドアを開けたのは怜奈。
時間的にバイトを終えて部屋に戻るのだろう。
竜「ただいま。あれ、怜奈、一人だったの?」
怜奈の背後のオフィス内からは人の気配を感じない。
オフィスでもなるべく怜奈を一人にしないように各々がそれとなく気にしているため、珍しそうにオフィス内を見渡す竜胆。
『ううん、ココくんがボスの部屋で打ち合わせしてるよ』
竜「そっか。部屋戻るんだろ?送ってく」
『大丈夫だよ。竜ちゃんまだ仕事あるんでしょ?』
竜「大丈夫、大丈夫」
今さっき降りたばかりのエレベーターに怜奈と一緒に乗る竜胆。
(萌え袖可愛いな……
……萌え袖?
今朝、怜奈、半袖着てなかったっけ?)
怜奈の服を見てふと違和感を感じる。
怜奈が着ているカーディガンは怜奈には大きいようだった。
竜「怜奈、今日そんな服だったっけ?」
『あ、コレ?春ちゃんが貸してくれたの。
くしゃみしたら、コレ着とけって』
竜「三途が?」
春千夜のものだとわかるとカーディガンを脱がせて、自分のジャケットを羽織らせようかと考える。
『うん。風邪ひいてボスに移されたら大変だから気をつけろって』
竜「そっか」
春千夜の言葉は半分は本当だろうが、半分は嘘だ。
ボスのためではなく怜奈を思ってのことだと竜胆は気づくが、怜奈には言わないでおく。
『あ、ポケットにラムネ入ってる。食べちゃおっと』
カーディガンのポケットに手を入れた怜奈が、淡いピンクや白のタブレットが入っている透明なケースを見つけ、ラッキー、と呟く。
「じゃあ、お疲れ様。
眠れないようだったら連絡して?
今日はもうデスクワークだけだから」
怜奈を部屋に送り届けると、蘭からの電話でそのままオフィスに戻らずに管轄の店に顔を出すことになる。
オフィスに戻ったのは夜9時頃だった。
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うさ - 更新楽しみにしてます!! (11月22日 14時) (レス) @page47 id: 1fc943b7af (このIDを非表示/違反報告)
百合 - これは確定、、、!!春ちゃん夢主ちゃんがっ!! (7月3日 16時) (レス) @page40 id: e72506d086 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - ルリカさん» コメありがとうございます♪全然収束しないまま溺愛されてて…オチが決まらないのでしばらく溺愛のままかもです(*´Д`*)引き続き読んでくださると嬉しいです。 (6月30日 0時) (レス) id: 71f254d63a (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - 悠希さん» 読んでくださってありがとうございます♪コンビニ編、長すぎたかと思っていたので、そう言っていただけると嬉しいです♪ (6月30日 0時) (レス) id: 71f254d63a (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - 悠希さん» 読んでくださってありがとうございます♪コンビニ編、長すぎたかと思っていたので、そう言っていただけると嬉しいです♪ (6月30日 0時) (レス) id: 71f254d63a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朔夜 | 作成日時:2023年3月26日 22時