梵天幹部の雑用係への溺愛がすぎる3【梵天】

１２６：とあるコンビニにて（２） ページ33

コンビニ店員モブ男(２０歳大学生)視点





また別の日、彼女はこの前のイケメンとは違うイケメンとやってきた。




口元に傷のある睫毛の長いイケメンと、何やら口喧嘩しながら店に入ってきた。







『だからー、いつの間にかボスが隣で寝てたんだって』



「無防備なんだよ、テメェは」



『来るってわかってたらあんな格好で寝てないもん』



「わかってなくてもちゃんと服着て寝ろ」



『でもキャミとショーパン履いてたよ？』



「長いのにしろっつってンだよ」







痴話喧嘩？



ベッドルームでの話をしていることからこの男が彼氏なのだろうか。



口調の荒い男に、彼女は特に怯むことなく言い返している。



口喧嘩している割には彼女がお菓子を選ぶのを側で待っている男。



彼女がグミとチョコを選んでアイスコーナーへと向かおうとすると男が手首を掴んで引き留める。




「待てコラ」



『え、アイス、だめ？

怒ってるから？』



「ちげーわ。怒ってねェし。

溶けるから帰りに買ってやる」



『今から帰るんでしょ？』



「パジャマ買いに行くぞ」



『えー…お腹空いちゃうよ』



「ついでにお前が行きたがってたハンバーグの店連れてってやる」



『行く』





レジで男が彼女のお菓子とタバコの支払いをする少しの間、「離れンな」と彼女に言うと、彼女も素直に離れずに男のジャケットの裾を軽く握って待っている。






束縛激しい系の彼氏なのだろうか。



いや、恋人同士というより兄妹というか…








『春ちゃん、帰り、やっぱりアイスじゃなくてタルト食べたい』


「こないだ言ってたやつか？」


『限定だからもう無いかなぁ』


「用意させる」






そう、



まるで、世話係のようだ。




出ていく二人の姿を見ながらコンビニ店員の考察は続く。

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