梵天幹部の雑用係への溺愛がすぎる3【梵天】

１１４：眠れぬ夜は（９）（万次郎） ページ21

『ち、違うの

た、たまたま、そう、たまたま誰か居てくれただけで

ボスだけに内緒にしてたわけじゃないの』




嘘はついてない。




正確には春千夜だけには相談したが、ややこしくなるのでそれは言わないでおく。





万「へぇ……」





納得してないような生返事





じっと万次郎に見つめられ、蛇に睨まれた蛙のように身動きできずに、変な汗をかいてしまう怜奈。





時間にして、たぶん５秒くらい





でも怜奈には果てしなく長く感じた。





万「誰か一緒だと眠れんの？」





『え、あ、ハイ』




万「じゃあ俺と寝るようにすれば解決だな」





満面の笑みを浮かべて万次郎が提案する。






『え！？』





万「何、嫌なの？」





『いえ、そんな…』





ここで下手に拒否すれば、絶対に万次郎は拗らせる。





それだけはわかる。





万「じゃあ決まりな」





『え、ちょ、待って待って待って』





万「どっちの部屋でもいーよ。


俺の部屋で寝ても、怜奈の部屋で寝ても」

　



待ってと言っているのに万次郎の中ではどんどん話が決まっていく。






『違くて。その、毎日は気が引けるというか…

ほら、ボスも私が急に一緒に寝るとなると、寝れなくなるでしょ？』





万「なんねぇよ。むしろよく寝れる」





『でも、ほら、春ちゃんが怒るだろうし』





万「別にアイツは関係ねぇだろ。文句言わせねェし」





なにを言っても言い負かされてしまう





万「じゃあ決まりな」
　



万次郎のご機嫌はすっかり治ったようで、満面の笑みを浮かべた。

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