梵天幹部の雑用係への溺愛がすぎる3【梵天】

１１３：眠れぬ夜は（８）（万次郎） ページ20

ギュッとスカートを握る怜奈の手に万次郎の手が重なる。




少し骨張った大きな手。




小柄だけど、こういう時に男の人なのだと改めて意識する。





万「何で内緒にしてた？」





『全然寝れないわけじゃなかったし……迷惑かけたくなかったから…』





万「迷惑なわけねぇだろ」





『…怒ってる？』





握った手を離してそのまま怜奈の細い肩を掴むと、軽く自分の方へと抱き寄せる万次郎。






万「怒ってる」




『…ごめんなさい』




素直に謝る怜奈に万次郎はそれ以上は怒らずに、コツンと額を合わせる。


　

万「…今度からはちゃんと相談して」




『うん』





万「…眠れない時、どうしてんの？…ずっと起きてるの？」




『でも、どうしても寝れないときはだいたい誰か一緒にいてくれたから…』




万「誰か？」




ピクっと万次郎の眉が上がるが、寄りかかったままの怜奈は気づいていない。






万「誰かって誰？」






『えっと…春ちゃんとか、ココくんとか、蘭ちゃんとか、竜ちゃんとか』




指を折りながら名前を挙げていく怜奈。




万『へぇ…鶴蝶は？』




『鶴ちゃんはトレーニングに付き合ってくれるよ』




万「へぇ…」




ようやく万次郎の放つ不穏な空気に気が付く怜奈。




初めのうちは万次郎は表情に乏しいと思っていたが、最近では万次郎の表情も読み取れるようになった。





これは絶対拗ねてる。




こじらせるとヤバイやつだ

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