ただ、君だけ。〈番外編〉(ymin)

【大ちゃんが気付いたこと。】(※ar→in) ページ7

山田と伊野ちゃんが恋人同士になったと聞かされて気付いたことがあるんだ。


２人が恋人同士になるまでには、ストーカー事件ってでっかい壁があった。
辛い経験をした伊野ちゃんを、ずっと守っていたのは山田だったわけで。
そんな山田のことを伊野ちゃんは唯一信頼してて。
２人でそのでっかい壁を乗り越えた。


必死に救おうとする山田の姿に伊野ちゃんが恋をしたのは、当然なんだよなぁって思った。




でもさ、本当は俺も傍にいたかった。
何度も何度も伊野ちゃんの傍に行きたいと申し出たのに、断られてしまって。
ああ、もし最初一緒にいたのが山田でなく俺だったら。


そうしたら伊野ちゃんは……俺に、恋をしてくれたのかな。




……いや。




『伊野尾ちゃんがJUMP辞めるなら、俺も辞める』




俺には、そんなこと言えなかった。
嘘でも、本当でも。
伊野ちゃんのために、グループを捨てられる覚悟が、俺には無いと思った。
それは決して伊野ちゃんを軽んじてるわけでも、JUMPを軽んじてるわけでもなくて。
どちらも俺には大切すぎて、選ぶことができなくて。


山田も同じだったのに。
山田は、気付いてた。




『伊野尾ちゃんがいないJUMPなんてJUMPじゃない』




どっちかなんて、秤にかけられるものなんかじゃなかった。
伊野ちゃんかグループか、じゃなくて。
伊野ちゃんがいて初めてグループとしてやってける。
欠けたら意味無いってこと。


本当にそうだ。
そんな当たり前のことに気付かされた。
全員揃って、初めてこのグループは成り立つのに。




……バカだよなぁ、俺。




今、２人はすごくすごく幸せそうだ。
伊野ちゃんを幸せに出来るのは、山田だけだって、本当に心から思えるよ。


だから、俺は。
伊野ちゃんがいつまでも幸せでいてくれればそれでいいな。
伊野ちゃんが笑顔でいてくれればいい。


好きな人の幸せな笑顔。
それが見られれば、俺も幸せだ。
それが１番大切。


これが、俺が気付いたこと。









END.


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本編中、本当は大ちゃんも伊野尾さんが好きだって設定を作ってましたが、あまりにも長くなりそうだったので割愛してしまいました。
ほんのり気付いてくれた方、そうだったの？という方、多数いらっしゃるかなと思います。
実際にお声も聞いたりしたので。

なので、大ちゃん１人語り。

大ちゃんは、これからも２人を優しく見守ってくれると思います！

番外2.同棲したくて。→←＊

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