本能(ymin)

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「いのちゃんさぁ、僕が言うことじゃないかもしれないけど、あんま血あげすぎない方がいいんじゃないの？」
「ほんと知念が言うことじゃないね、知念があげないから俺があげてるんでしょ！」
「はいはいスミマセンデシタ」
「絶対思ってないじゃん！」


居酒屋の個室で知念と2人。
後から山田も合流することになってるんだけど、その前にちょこっと相談したくて。
前から疑問に思ってることと、
この間の山田のキスについて。


「で？首筋にちゅーされただけ？？」
「だけって……なんか、意味あったのかなって、思って……」
「うーん……」


知念が黙りこむ。
まあ年上が年下に、しかも末っ子キャラ知念ちゃんに相談するようなことじゃないんだけど、でも、だって山田のこと知ってるのは知念だけなんだもん……。


「少なくとも、僕は涼介にそんなのされたことは無いかな」
「そうだよね……なんかちょっと気まずくて……この後知念俺の傍にいてね……」
「いのちゃん可愛いこと言わないの」


ぷに、ってほっぺたつんってされた。
末っ子のくせにぃ。


「涼介にとってお気に入りなんじゃない？
いのちゃんのことが」
「えええ……」


そうなの？
ちょっと照れます。
顔熱くなってきました。
とりあえず本人じゃなきゃ分からんって一蹴された。


「で？もういっこは何？」
「うん、あのね。
あれから吸血鬼について調べたんだけど。
血を吸われた人間って吸血鬼になっちゃうって、ほんと？
何か変化とかあったりする？」
「ぷっ……あっははははははは！！！」


真剣に聞いたら、知念が思いっきり吹き出して笑い出した。
嘘でしょ！そんなに変なこと聞いた！？


「ちょっと、知念！」
「ははは、ごめんねいのちゃん！
やっぱいのちゃん可愛いとこあるよね！
そんなことあったら、涼介も僕もいのちゃんに手伝わせたりしないよ！
というか僕だって血をあげたりしないよ。
いのちゃんだって、もう体に変化あってもおかしくないんじゃない？」


あ、そっか。
異変とかは一切無いんだもんね。
じゃあ、迷信かぁ。

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