本能(ymin)

＊ ページ37

翌日。


「伊野尾ちゃん、俺に勝てると思った？」
「ッ……！！」


結果。
ムリだった。


「次は絶対、流されないんだから！」
「次も誘ってくれるんだ？楽しみだね」
「〜〜〜ッ！！」


途中で、立場が逆転してしまって。
その日１日、ベッドと友達のまま過ごすくらいに、腰をやられてしまった。


「にしても、昨日の伊野尾ちゃんホントに可愛すぎてヤバかったね」
「もう、しないっ！」
「えー、また今度やって？」
「絶対しない！」
「……ホントにしてくんないの？」
「うッ、」


上目遣いでそんな、オネダリとかやめてよ。
そんなことされたら、またやってあげようかなとか思っちゃうじゃん！！


「……あ、あと伊野尾ちゃん」
「こ、今度は何……？」
「お腹、空きました」
「はぁ！？」


腰を引き寄せられて、ぐいっと顎を上向きにされ、首筋を晒される。
やだ！って必死に肩を押すけど、ビクともしない。


「あ、う……」
「ね、ちょーだい……？」
「ふ、あう、う……」


舌で舐められて、牙が、浅く食い込む。
もう、分かってた。
おれ、どうやっても逆らえないの。
力を抜いたら、やまだがふっ、と笑って。


「イタダキマス」
「ッ、ひ、ぁんっ、！」


牙が、ゆっくりと、深く食いこんだ。




逆らえない、彼には。


だって、特別なんだもん。


本能のままに行動して、おれを振り回す吸血鬼でもあるけど。


何より、そんな彼をおれは愛しちゃってるから。


だから、特別。


特別な、人。


生涯愛する人だから。


彼に勝てる日なんてたぶん、一生こないんだ。









END.


ーーーーーーーーー


ハッピーハロウィーン！！！(遅刻)
ハロウィンだから彼らだろ！って思って本能シリーズ１本書いてみました！

うーん、ね、完結してから結構経ってて、だいぶキャラが……うん。
書けてるといいんだけど……。
不安(笑)

裏の部分濁してるけど、もしかしたら裏短編集にUPするかもしれません。
あくまで、かも、です。
ほら、裏苦手だから……。

黒ニットワンピ。
猫耳。
生足。
紅い瞳。
せくしー！
そんな伊野尾ちゃんください！！

お読みいただきありがとうございました！！

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