あつあつのフォンダン・ショコラをあなたと 1

15　はじめまして　2 ページ15

ゆう「じゃまず、うちの家族を紹介するね。」



手を引っ張られながら、

サイフォンがズラリと並ぶ仕事場で、黙々と珈琲を淹れ続ける男性２人の前に連れられて行く。



ゆう「私の祖父と父よ。

祖父が淹れるブレンドコーヒーは、どこのどんなお店のより美味しいんだ。

ま、ちょっと気難しいところもあるけどすぐに気にならなくなるから。

父はね、一年前に思い切って脱サラしてからずっとここを手伝ってくれてる。

一応一通り、何でも出来る様にはなったけれど、私的にはまだまだかな(笑)？

上中下(じょうちゅうげ)で言ったらまだ中(ちゅう)の下(げ)ってところ？」


父「は、そりゃねぇだろ(笑)？」


ゆう「あははは、冗談冗談。

早く祖父に追い付きたいって、毎日一生懸命努力してる、自慢の父よ。

で、こちらは、イ・Aさん。

ヨナの妹。

ね、可愛いでしょ？」


A「はじめまして、ヨナの妹のAです。

姉がいつもお世話になってます。」


爺「ほほぅ、君がヨナさんの。

あぁ、言われてみればなんとなく雰囲気も似てるな。

よく見たらヨナさんより美人(べっぴん)さんだな。」


A「も、もう、からかわないで下さい。」


爺「むこうが忙しいから、急遽助っ人を呼んだのか？」


ゆう「まさか(笑)。

勝手に来ちゃったんだってば。

お母さんとケンカして、ヨナを頼って家出してきちゃったんですって。

超最高でしょ？」


爺「はっはっは、愉快愉快。

気の強い所もヨナさんと同じってワケだ。」


ゆう「私、そ、そんなんじゃ。

でも、突然押しかけられて超迷惑ですよね？

誠に申し訳ありません。」


母「あぁいいのいいの、謝ることなんてない。

親子だもん、ケンカするのは当たり前よ。

うちも、未だにしょっちゅうやり合ってるし。

だからよろしく、イ・Aさん、私はゆうの母親よ。」


婆「もうこのままここに居ついちゃいなさいよ、あなた一人くらいなんとでもなるから。

初めまして、Aさん。

私はゆうの祖母よ。」


ゆう「ね、うちの家族はハードルが超低いでしょ(笑)？

もうAさんを受け入れたわ。

さ、後はヨナと問題のあの人ね。」

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