夢と現実の〜葵ゆうた〜 ページ43
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職員室の目の前まで行くと、Aはおれたちの方を向いて微笑んだ。
ここまででいいよ。そういう彼女の表情からは、さっきまでの暗さはもうなかった。
それをアニキと目配せで確認して、2人で笑い合う。
ほんと、昔から感情表情が豊かで、わかりやすいよな。
特に、抱えきれないほどのストレスを感じている時。
それはキャパを超えると、自分では見境がつかなくなるから。
だから毎年おれたちは、Aを笑顔にする為に、あの手この手で笑わせてきているんだ。
"夢"と"現実"の"狭間"のように。
"シュガー"と"スパイス"の"方程式"で。
「…………。」
「……？A、どうしたの？」
突然黙りこくったAに声をかける。
俯いている訳でも、怒っている訳でも無さそうだけど……。
不思議なことに、その時間はあまりにも長く感じて、少し不安になった。
アニキは微動だにせずAを見つめるだけだし……。
……えっ、まさかの恋愛的展開？！
いきなり？！この人混みで？！
「あの、さ。まだ時間ある？」
「す、ストップストップ！ここで告うの？！」
「えっ？！だ、ダメだった？！」
「いやダメじゃないけど……え、おれ席外した方がいい？」
「んんっ？！なんの話してるの？！」
……あ、これなんか違うかもしれない。
びっくりした。いきなりアニキに告られても困る。
いや、別に止めはしないけど……アニキもAが好きだろうし……。
「えっと……まず、ありがとう」
一人で悶々と思春期男子を繰り広げている時、Aが口を開く。
おれの思考回路がアウトだったせいで全く追いつかない。
「二人とも、毎年私と、こうして一緒にふざけてくれて」
「A……」
「言ったら変に思うかと思ったんだけど、どうしても言いたかったんだ」
Aは今までにないくらい、素敵な笑顔だった。
もう一度感謝の言葉を述べたAは、とても幸せそうで。
「私、もう大丈夫……ううん、"大丈夫になる"んだよ、きっと」
"ここにこれたことが、物語ってるから"。
それが、これから距離を置くだとか、そんな悲しいものではなく。
きっと逆で、これからもこの関係を続けたいからこその、セリフであって。
「本当に、今までありがとう」
『これからも、よろしくね』
「────あれは、もうすぐ結ばれるやつだね」
突拍子ないことはいつもの事だけど、アニキがまたおかしなことを言った。
……でも、今回ばかりは、おれも似たことを思ったから。
「……よかったな、A」
心から、そう言えた。
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莉緒(プロフ) - すいかさん» 返信遅くなりすいません！コメントありがとうございます！これからも面白いお話が出来るよう、頑張ります！ (2018年11月7日 22時) (
レス) id: 013457e9b7 (このIDを非表示/違反報告)
すいか - 面白いです!! (2018年10月24日 6時) (レス) id: 1cbfe77de4 (このIDを非表示/違反報告)
莉緒(プロフ) - 愛姫さん» コメントありがとうございます！これから楽しんでいただけるよう、頑張りますね！ (2018年1月25日 17時) (レス) id: 9db52594cb (このIDを非表示/違反報告)
愛姫 - いつも楽しみに見てます！！これからも頑張ってください！！ (2018年1月25日 13時) (レス) id: 43b6895a40 (このIDを非表示/違反報告)
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