夢と現実の(５) ページ42
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「はいっ！到着〜！」
ひなたが両手を広げて、アイドル科入口を掲げる。
私はおお〜っ！と声を上げながら、3回目だけどと苦笑いする。
「学生証まだなんだっけ？俺が受付の人に言ってくるよ」
ゆうたがカバンを探りながら、私に言付けをした。
それに私は、ありがとうっ、と笑い返す。
走って行くゆうたを見送っていると、ひなたがすかさず割り込んできた。
「おや〜？おやおや〜？」
「ちょっと……今度はなに、ひなた」
「いやいや〜、隠さなくてもいいよ……うんうん、青春青春」
「何を思ってるか分かって言うけど全然違うからね」
私が身を引きながら言うが、ひなたはニヤニヤと笑い続ける。
ほんとに違うんだからその顔をやめなさい。
呆れ顔の私に、ひなたは突然キョトンとする。
そして、突飛なことを口にした。
「ゆうたくんて、Aのこと好きだよ？」
「……はい？」
あまりにも突然のことに、腑抜けた声を出す。
しかし直ぐに私は疑って、またひなたは……と嘆息した。
「いやいや、これがほんとなんだな〜」
「ゆうたとは仲いいけど幼なじみだもん、ひなただって条件同じでしょ」
「条件がどうこうなんて関係ないよ、人を好きになるのにさ」
「……いい加減にして。二人とも知ってるでしょ、私が好きな人いるって」
それに……と、私は一呼吸置いて、目を細めた。
私がお母さんを亡くした時、一番寄り添ってくれたのは
私のことを一番に考えてくれたのは、ゆうただから。
ゆうたには、普段通り、幼なじみでいて欲しい。
「……例えそうだとしても、私がゆうたをそういう目で見ることはないよ」
もちろん、ひなたも、同じだ。
ざぁっと大きな音を立てて、夢ノ咲学院が風を吸い込む。
風に私の髪が乱れて、それを抑えるように髪を整えた。
幼なじみって、すごく距離が近い友達だと、私は思うけど
だからって、必ず"そういう展開"になるとは限らないと思う。
二人はともかく、私はそういう前提でいたのだ。
「……だから、今更そんなこと言われても──」
「まぁ冗談だけどねっ」
「…………ひなた」
「えっ、ちょっと本気にした？ごめんごめん〜♪」
「ごめんごめん〜♪じゃないでしょぉ？！いい加減にしなさい！」
「二人とも！受付の前で暴れるな！」
ゆうたが確認を終えたのだろう。
いつの間にか、私達の傍で怒鳴っていた。
二人には、やっぱり感謝しかないな。
気がつけば私は、お母さんのことを考えてなかったのだから。
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莉緒(プロフ) - すいかさん» 返信遅くなりすいません！コメントありがとうございます！これからも面白いお話が出来るよう、頑張ります！ (2018年11月7日 22時) (
レス) id: 013457e9b7 (このIDを非表示/違反報告)
すいか - 面白いです!! (2018年10月24日 6時) (レス) id: 1cbfe77de4 (このIDを非表示/違反報告)
莉緒(プロフ) - 愛姫さん» コメントありがとうございます！これから楽しんでいただけるよう、頑張りますね！ (2018年1月25日 17時) (レス) id: 9db52594cb (このIDを非表示/違反報告)
愛姫 - いつも楽しみに見てます！！これからも頑張ってください！！ (2018年1月25日 13時) (レス) id: 43b6895a40 (このIDを非表示/違反報告)
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