コクハク。(２) ページ33
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｢えーっと、ここでいいんだよね？｣
誰もいないドアの前で呟いたところで、返事は返ってこないのだが。
でもほら、なんか隣のドアが見当たらないから。
いや、さっきエレベーターで13階より上のボタンが少なかった時点で気づくべきだったんだけど。
……もしかしなくても私、とんでもないとこに来ちゃってないか。
まぁでもまて、まず開くかどうかだよ。
例えばこれをかざしても開かなかったら部屋が違うってことになるし。
そうだよ、さすがの泉さんでも高校生だからこんないい部屋はない。
なんて思いを、ほぼ願っている状態でカードをかざす。
カードに反応したであろうドアは、小さなランプが灯ると同時に鍵が開く音をさせた。
｢開いたよ、開いちゃったよ！なんで開くの、すごい！｣
高校生の分際でこんなお高いホテルの、ランク高そうなお部屋ですか?!
庶民の私には到底理解できませんわ！
……なんて逆ギレしてる場合じゃない、早く入らないと閉まる。
｢し、失礼しまーす……｣
誰もいないと分かってても何故か挨拶してしまう。
若干重たいドアを開けると、案外普通の入口。
それでも普通のマンションの入口とかじゃなくて、なんか煌びやかな感じ。
恐る恐る足を踏み入れると、ドアがいくつかあって。
その奥には大きなベッドと、それより大きい窓ガラス。
その大きさは、壁をほぼ一面埋めつくしているみたいだった。
｢う……わぁ……！な、何これ……すっごい……！｣
この部屋の窓から見る、ものすごく綺麗な夜景。
あまりの輝きに、自然と手が口元を覆わせる。
街全体の小さな灯りが、寄り集まっていて。
あちこちにあるテーマパークが、楽しそうに光を放っている。
何より驚いたのは、少し遠目の大きな水族館。
そして、その先の、果てしなく広がる水平線。
｢こんなの……初めてみた……｣
幻想的な風景に見惚れていると、入口付近から物音がする。
数秒後にフッと電気がついてから、部屋が真っ暗だったことにやっと気づいた。
すごく明るいわけではないが、それもこの夜景に合わせているのだろう。
｢電気くらい付けなよ、足元見えないでしょ｣
｢泉さん！ごめんなさい、分からなくて｣
部屋に入ってきたのは、泉さんだった。
どうやら電気も、彼が付けてくれたらしい。
気に入った？と聞かれてすぐに大きく頷く。
すると泉さんは、掛けていたメガネを外しながら続けた。
｢無駄に広いけど、今日一日はここで我慢してよね｣
｢そんな……！私には勿体ない部屋……｣
……ん？
えっと……、今の台詞はどういう意味だ。
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莉緒(プロフ) - すいかさん» 返信遅くなりすいません！コメントありがとうございます！これからも面白いお話が出来るよう、頑張ります！ (2018年11月7日 22時) (
レス) id: 013457e9b7 (このIDを非表示/違反報告)
すいか - 面白いです!! (2018年10月24日 6時) (レス) id: 1cbfe77de4 (このIDを非表示/違反報告)
莉緒(プロフ) - 愛姫さん» コメントありがとうございます！これから楽しんでいただけるよう、頑張りますね！ (2018年1月25日 17時) (レス) id: 9db52594cb (このIDを非表示/違反報告)
愛姫 - いつも楽しみに見てます！！これからも頑張ってください！！ (2018年1月25日 13時) (レス) id: 43b6895a40 (このIDを非表示/違反報告)
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