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「んじゃあA、言うてみ」

「誰にどんな催眠かけられたん?」

『催眠は絶対なん?』


シッマの寝室にて、ベッドに座らされ、トンちとグルッペンとマンちゃんがそれぞれ座ったり立ったりで、そう問いかけてくる。
何で本気やと駄目なんやろ、良いことちゃうんかな。
鬱の浮気は知っとるけど、別にええやんって思ってしまう。
悪いことなのかもしれんけど、皆の愛にちゃんと答えとるっていうのは、悪いことって言い切れへんねん。


『…全部好きやねん』

「その全部具体的に言うてくれへん?誠心誠意俺らがええ人見つけて来たるから」

『逆にその行動力がすごいわ』

「Aに褒められためう♡」

『そのポジティブ思考も嫌いじゃないで』

「そうやぞ、俺も褒めてや」

「ずるいわ、俺も」

『あんたら質問したかったんちゃうの?』


そう言えば、ハッとしたかのようにまたキリッとした顔に戻る。
そしてもう一度催眠うんたらかんたらを聞かれ、正直親しい仲にこういう話をするのは恥ずかしいので今までは避けて来たが、彼らの気持ちを踏みにじらないためにも、理由はちゃんと、言わなあかんのかもしれん。


『…鬱、皆に優しいねん』

「エミさんとかトン氏にの方が優しいゾ?」

『そういうんちゃうくてな、気配りとか意外と上手いねん、彼女の扱いやって、いっつも丁寧やし、適当になんかしとるとこ見たこと無いねん、1つ1つのことに、ちゃんと向き合えるやん』

「ひとらんとか、シッマとかも根っからの真面目やで?」

『ちゃうねん、鬱な、慣れへんことでも、聞かれたら一生懸命答えてんねん、調べて来たりとかしてな?浮気とかするくせに、えらい真面目なんやもん、ほら、紅葉つけて来た時とかも、いつも、フったんだし、とか言い訳せぇへんやん、そういうとこ、昔から何か好きやねん』

「ギャップ萌えやったら1番グルさんが凄いと思うけど…」

『ちゃうくて、そつなくこなすやん、いろんなこと、だから、無理し過ぎることないし、心配かけさせないって、ちょっとの隙も見せへんやん、そういう器用なとこも、ええなぁって』

「ショッピ君とか、オスマンの方が器用なことは多いで?知識量とかやったら、ロボロとかゾムは幅広いで?」

『でもそれな、全員1つずつやろ?鬱は、全部揃えてんねん…んー、何か伝えたいこと伝わりきれへんわ』


1番言いたいこと。
仕方ないから、単刀直入に言おう。


『皆じゃ駄目なん、鬱じゃなきゃ嫌やねん』

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作者名:そういろね | 作成日時:2019年4月4日 4時

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