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『やっほ』
「休日の早朝に連絡なしでくるんはあかんで」
『…ごめん、まさか体調崩しとるとは思わんかってん』
「いや、昨日あいつらと夜更かししててん、ええよ、上がり」
朝の7時。
早朝とは言い難い時間かもしれないが、3時までゲームをしながら騒いでいたのだから、早朝と言っても過言ではないだろう。
頭がグワングワンとする。
リビングに着くなり、キッチンに直行し、冷めたコーヒーをコップに注いで一気に飲み干した。
『トントンもひとらんも寝とるやん…誰も帰ろうって言わんかったん?』
「分からへんわ、俺早く寝てもうたから、あんま覚えとらんねん」
『…レポート手伝って貰おう思っとったけど、先に朝ご飯作ったるよ』
「ほんま?助かるわ」
『ん、出来たら呼ぶから、寝ててええで』
「んにゃ、起きとくわ、1人で全員起こすのは骨折れるやろ、何か目覚めたし」
Aは少し大きめのリュックを部屋の隅の方へと置いてから、俺のエプロンをつけて冷蔵庫を漁り始めた。
しかし、起きていても、携帯やらテレビを見ているのは何だかAに申し訳ない。
かといってソファに1人座ってこいつらの寝息をBGMにしてぼーっとするのも嫌だ。
一度座ったがすぐに立ち上がり、キッチンへと足を進める。
「やっぱ手伝うわ、何か1人やと落ち着かへんわ」
『大丈夫なん?無理せんでええんよ?』
「大丈夫やで、元々あんま寝る方やないし」
『…不健康やなぁ、寝とってや、心配で全く集中できひんわ』
「んー…迷惑やない?」
『迷惑やないから、早よ寝てや』
「…わかった、でも1番に起こしてな?」
1番やで?と念押しすれば、呆れながらも笑い、わかったわかった、と言った。
仕方ない、これでよそ見でもして、怪我でもさせてしまったら申し訳ないし。
先ほどまで寝ていた場所に寝転び、目を瞑った途端に、後ろから首を絞められた。
「何朝からAといちゃついとんねん…殺したんぞおら」
「おまっ…起きとったんかい…!てか普通に会話しとっただけやろ…!」
「なぁにが"1番やで?"や、気色悪いわっ!」
「うっさいなお前っ、寝ろや!」
「何で朝に寝なあかんねん!」
「Aに寝ろ言われてんねん!」
「…」
「お前切り替えバリ早いやん」
首から腕を離し、わざとらしく寝息を立てるシッマを足でひと蹴りしてから、俺も二度寝を始めた。
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作者名:そういろね | 作成日時:2019年4月4日 4時