_今 夜_ _JIN_

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『ヌナ、嘘はつかないでくださいね』



その一言から始まったジョングクくんとの通話はものの数分で終わった。



『ねぇヌナ、聞きましたよ』



お節介な私の可愛い弟が同じ歳のジョングクくんに伝えたらしい、私の病気のこと。



まだソクジナにも言えてないのにね、変なの。



嘘はつかないで、って可愛い可愛いジョングクくんに言われたからまぁほとんど嘘はついていない。



さすがに覚悟を決めてくださいって言われた、なんてことは言えないけどね。



だんだん声が小さくなっていくジョングクくんを励まそうと息を吸い込む。



「ほら、顔を上げなさいチョンジョングク！あなたは人を笑顔にするために存在してるんだよ」



『…ネ』



ちょっと間があったのは気になったけど、ちゃんと返事が返ってきたのが嬉しくて笑うと、ジョングクくんの笑い声も小さく聞こえた。



『ヌナは、そのままでいてくださいね』



「ジョングクくんこそ。私もソクジナも、他のみんなも、真夜中にお風呂に入っていたジョングクくんのこといつまでも覚えてるよ」



『いっつも、ちょっとだけ意地悪ですね』



ジニヒョンには言いません、そう言われてきれた電話をゆっくり机におく。



「ソクジナは、知ったらどうするんだろう」



そんなの分かるはずもないし分かりたくもないけど。



考えてしまうのは仕方の無いこと。



いつかはバレるかもしれない。



それでも最後まで、あなたにはあなたに見せ続けてきた私を見てほしい。



そして私も、見続けてきたあなたを見ていたい。

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