_今 夜_ _JIN_

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ありえない夢を見ていた。



かけがえのないあのころに戻る夢。




ソクジナのデビューが決まって、メンバーだとかいう年下の男の子たちと一緒に暮らし始めた頃の夢。



みんな地方からでてきた子達で、地方の訛りが可愛かった。



特に大邱訛りと釜山訛り。初めてあった時は外国語を喋ってるのかな、って思うくらいイントネーションが違ったっけ。



ほとんど全員出身地が違って。


出身地だけで見たらものすごく仲の悪い地方どうしの子もいたりして。



でも7人全員が向いている方向が一緒だった。胸の奥に抱えている想いが一緒だった。一生懸命に打ち込むことが出来るものが、好きなものが一緒だった。



だからきっと、夢の中だと言うのにこんなにも眩しく輝いているんだね。



たった2年かそこら。彼らに関わった時間は私の生きてきた年に比べたらほんの少しだけの時間だった。

ソクジナと出会ってからの時間に較べてもちょっとだけだった。



それでもとても素敵なグループだったよね。



ソクジナがいっぱい笑って、ご飯を作ってあげて、たまに冗談を言って、そしてたまに…いやしょっちゅう片付けしなさいなんて年下の男の子たちに怒って。


弟達を守る、なんてお兄ちゃんな顔つきになった時に、ソクジナは防弾少年団のJINになっていた。



私の知らないJIN。


でも一緒にいる時はキムソクジンでいて欲しくて。


そう言うと笑ってくれるソクジナにいつも安心して。



あぁ、もしも会えなくなっちゃったら。


もう二度とあなたの声を聞けなくなっちゃったら。



私は私ではなくなる気がするんだ。

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