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寒くて凍えそうなのに、気がついたら海へと足が向かっていた。



「うぅ、寒」




車を走らせたのは僕なのに少し後悔。




せっかくの半日オフ、Aに連絡はしてみたものの、



『私今日デートなの』



なんてすげなく断られてしまった。



くぅ、前は僕の方が大事だっていってたのに、なんて責めてみたけどケラケラ笑われただけ。


暇になったら電話する、なんて。


その声と言葉に少しほっとしちゃってる僕も僕なのかな。



欄干にもたれて息をつく。



白く凍る息はさらさらと落ちていくのがなんだか物寂しい。



あーぁ、10年前は君が隣にいたのに、なんて。



もう戻れないことをぼんやりと考えてみたりする。



わざわざ雪を踏みに行ったりなんかしたよね。




もう戻れないけど、いつだって思い出すことが出来るあの頃のこと。




校舎の階段の踊り場に、大学の講義室、僕らの狭くてごちゃごちゃしていた宿舎。



君が隣にいた時の景色。こんなのはいつでも思い出せるんだ。



.




「…電話?Aだ、今日デートじゃなかったのか?」




突然なったスマホのディスプレイを覗き込めばAの名前。



「ヨボセヨ、A?どうしたのさー」



『ソクジニヒョン、…今お時間ありますか』



「あれ、弟くんか、どうしたの?今時間あるよ」



『あの、ヌナ、何も言ってませんよね』



「…なんのこと?」



『そうですよね。ヒョン、僕は今からヌナとの約束を破ります。ちなみにヒョンも共犯です。今から送る住所に来てもらえませんか』



「ええっと、それはどういう」



『ヌナに会いたいなら、来てください、ヒョン。』

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はるこむぎ(プロフ) - たぬきさん» ありがとうございます!そんなふうに言っていただけると書いてよかったと思えます…!追加のお話は今編集しているので、公開までお待ちください! (2019年6月27日 9時) (レス) id: 622422461c (このIDを非表示/違反報告)
たぬき - 書いてほしいです!!番外編?的な裏話!もう、涙腺が崩壊してやばいです!! (2019年6月25日 23時) (レス) id: 2104043d5d (このIDを非表示/違反報告)
はるこむぎ(プロフ) - とまとさん» コメントありがとうございます!94lineも読んでいただいて…!本当に嬉しいです!ジンくんの歌、私もとても感動したので、この感動を上手く伝えられるよう頑張ります!これからも読んでいただけると嬉しいです! (2019年6月5日 19時) (レス) id: 622422461c (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - はじめまして!94lineのお話も楽しく読ませていただいています!私もジンくんの歌を聴いて感動したので、このお話がとても楽しみです!更新待ってます! (2019年6月5日 18時) (レス) id: 8d6066aa74 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はるこむぎ | 作者ホームページ:ない  
作成日時:2019年6月5日 18時

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