青春時計

これからは、俺がいるから ページ7

伊野尾side

吹っ切れたように、涙を流す山田くん。
疲れたんだって思えた。

泣くのを我慢してたのかな？

俺の胸で、子供のように泣く姿は、まだまだ子供だと思う。

高校生なのに、こんなにも暗い過去があっただなんて、考えられない。

山田くんは、1人で辛いものをずっと背よって来たんだ。


辛かったと思う。

逃げたくなくなったと思う。


こんなにも、我慢していた山田くんをほっとくなんて出来ない。


いや、俺がさせない。



「キーンコーンカーンコーン」


放課後を教えるチャイムがなった。



「行かなきゃｯ」

焦ったように、涙をふき、慌ててカバンを持ち山田くんはどこが悲しそうで･･･

「どこ行くの？」

そう尋ねると･･･

「今日は5人です。」

「行かないで!!!!」

こんなにも大声を出したのは久しぶりだ。


山田くんは、汚れて欲しくない。


「でも、行かなきゃお金が、･･･」


「家が怖いんだよね･･･」


「うん」









「俺の家、来る？」

「えっ？」









「俺だったら、山田くんの事受け止めてあげるし、高校生だからバイトもしな･･･体を売るなんて、ダメです！自分自身を大切に、ね！

今日は俺８時には帰れるから勉強でもしといて待っといてｯ


山田くんの悲しい顔なんて見たくないから･･･」




これがホントのおれの気持ちだ。

思い出す、過去。→←どういうこと？

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す