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番外編2 ページ43

しばらく蹲っていたおかげで、少しお腹は楽になって来たかな。


ん?


ふと、視線を感じて私は顔をあげた。





「何をしているんだい?」


「えっ……!?」



階段の下には、私を見上げていたパパがいた。





パパ……どうして!?



もしかして、私のこと……心配して?



一先ず、パパの元へ向かおうと、私は立ち上がり階段を降りようとして


いや、ここは……




パパを試すいいチャンスじゃないか。





「パパ!!」



私は勢いよく階段からジャンプした。




「A!」




驚いて、私を見ているパパ。


あんな表情は今まで見たことがなかったな。



落下していく私は、嬉しくて自然と笑みが零れる。




ギュッ



私の体を受け留めて、抱き締めていた手はとても強く感じた。




「何で、階段から飛び降りたんだ?」


いつもと違う低い声に、私はパパが怒っているのだと、気付く。




「パパが受け止めてくれるかなって、思って。」



「えっ?

はあ……全く、君は……」


そう言って、私の頭を撫でてくれたパパは、微笑んでいた。




「パパ!」



私は思わずパパの頬を触ってから、自分の頬を抓る。



「痛い……」



夢じゃないよね。


パパが笑ってるって。



「どうした?」




「ううん、なんでもない。」



パパの体に両手を伸ばしてギュッと抱きつく。



「こら、離れなさい。」



そう言って若干慌てていたが、そんな姿が面白くて、私は笑う。





やっぱり、今までとはちょっと違う。


そんな姿が嬉しくて、私の計画による効果だと思った。




それはもちろん、兄も同じで




「これ、今日の授業のノート。

それから……」



私にホッとココアを買って来てくれた兄。



そんなこと、今までなかった。



「体、寒くないか?」



「うん、平気だよ。

ありがとう、お兄ちゃん。」




優しい兄の姿。


そして、私を気に掛けてくれている。





やっぱり、うまるお姉ちゃんから教えてもらった通りにして良かった。



これからもこのスタイルで行こう。



私の第2の駄目キャラを駆使して。


いつか、家族三人で仲良くなれるように。







(終わり)

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(プロフ) - ちくわさん» コメントありがとうございます。嬉しいお言葉を下さり、励みになります。悪の大罪シリーズについてですが、実は知らなくて、すいません……。「悪の娘』とかがあると名前だけは聞いたことがありますが、分からないです。おススメ作品ですか? (2018年6月1日 21時) (レス) id: eca00d5e47 (このIDを非表示/違反報告)
ちくわ - 面白いです! 悪ノ大罪シリーズとか知ってたりしますか? (2018年6月1日 17時) (レス) id: ae2f86a54b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年2月18日 8時

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