女王様の側に咲く花は

Sunflower 10 ページ22

向日葵、家にて



さて。しばらく妃凪と一緒に行動できなくなるな…。陥れる為だとはいえ、少々堪えるなぁ…。



この紙に書かれた文字を別の紙に書きながらそう思う。つら。……あっ。そうそう、このお手本も捨てずに置いておかないとな。



証拠として差し出す事が出来るから。仙城もそんな、わざわざこれを回収しには来ないだろう。



「…こんなもんか。」



ん、出来た。これを折り畳んで、適当な封筒に入れて…後は、これを妃凪の靴箱にいれて終わり。ホントは入れたくなんかないけれど…。



*



翌日



妃凪はもう学校に行っているんだろうか。いつもと違う朝の光景に、多少の違和感を抱きながらも私は一人で学校へ向かう。



少しだけの我慢だ。少しの間だけ、我慢したら普段の日常が戻ってくる。だから…ね。



そう思いながら、私は学校の方向へと足を進めた。



・



靴箱にて



…他のクラスメイトはまだ殆ど来ていなかった。まぁ運動部でもない限り、この時間帯に来るって事自体が珍しいか…。



妃凪の靴箱を開けると、彼女もまだ来ていなかった。心が痛むのを感じながら、私は書いた手紙を彼女の靴箱の中に入れ、扉を閉める。



そして何事もなかったかのように、教室へと向かった。

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