休学復帰のくのたま先輩【RKRN】

○ ページ39

『学園長先生と三年生と六年生に買うから〜〜〜……十三個ください！』

「はい、毎度」



店主の老母が和菓子を渡すと同時にAが銭を差し出す。



藤内「えっ僕も払いますよ」

『いいよいいよ。私が強引に連れてきたんだし』

藤内「……」



さっきからAと顔を合わせる度に心臓の鼓動が鳴り止まない。

藤内が男装している先輩ドキドキして呆れている。




「ところでお二人さん若いねぇ〜〜美男美女だ」

『ありがとうございます！俺の彼女かわいいですよね、自慢の彼女なんです』

藤内「えっ」

「あらぁ、素敵な彼氏さんね。私もキュンとしちゃったわ。オマケにもう一個あげる」



そう言われ渡されたのは先程買ったものとはまた別の和菓子。




「レア物なのよ。表には出てないの」

『えっいいんですか？』

「いいのよ、味わって食べなさいな」




商品をまとめて渡されると、Aたちは嬉しそうに店を離れた。



『やったね藤内！レア物だって』

藤内「そ、そうですね！」

『思ったよりも早く買えたね。なんか見ていく？』

藤内「んじゃあ……あっちの方を」

『あ、藤内危ない！』




ほかの店に行こうと歩き出したところ、藤内が男二人とぶつかってしまう。

ちゃんと前を見て歩かなかったせいなのか、ぶつかってしまった男二人は少し不機嫌そう。



藤内「す、すみません……」

「ちゃんと前見ろっての……ん？」

「お、姉ちゃんかわいいじゃん？」

藤内「え」




何を思ったのか男二人は藤内にデレだした。

言っておくが藤内は男です。男です。

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