時透無一郎の親戚は恋柱の継子です 弐 【鬼滅の刃】【時透無一郎】【甘露寺蜜璃】

時の流れ　伍拾参 ページ4

胡蝶しのぶside







血に塗れた着物を横目にみて囲炉裏さんの身体に目を向けた。

数秒、身体の傷に目を奪われる。


これは………



「酷い………」


手が止まるほどの傷。

身体には無数の傷跡。

それに鳩尾の下には横に大きい深い傷。

顔にはたくさんの掠り傷。

着物からして大量の失血。

そして、左胸、恐らく心臓が抉れている様。


「なほ、心臓の皮膚と鳩尾の下の傷を縫います。縫い終わったら輸血をします。縫う道具と輸血道具も持ってきて」

「は、はい！ただいま！」

なほは、ぱたぱたと道具を取りに行った。

さて、処置しないと。

すべての傷を消毒する。

至る所に傷があるため消毒液が足りないか、冷や冷やした。


「持ってきました！」

「ありがとう」


なほが持ってきた道具から糸と針を通し。

素早く心臓の皮膚と鳩尾の下の傷を縫う。

その間、なほは輸血をする。

縫い終わったら包帯を手にとり、首から腰までに包帯巻く。

きつくしないように、そして緩すぎないように、丁寧にかつ、素早く包帯を巻く。

そして同じ様に腕にも巻いた。








・









処置が終わり、ベッドに寝かす。

すやすやと寝ている囲炉裏さんは、どこか幼さを感じる囲炉裏さん。

囲炉裏さんが寝ている、ベッドの横の椅子に腰をかける。


齢(よわい)十歳で上弦と接触。

おまけにこんな大怪我まで………でも十歳なのに上弦と接触して生きている。

やっぱり囲炉裏さんは、才能ある剣士なのですね。

時透さんには、ほんの少し劣りますが。




そして今回の戦いで、恐らく、囲炉裏さんには後遺症が残る。



甘露寺さんにも報告しておかなければ………。



「大好き。お母さん、お父さん……有一郎…」



呼ばれた人に伝えるように、けれど、弱々しく寝言を言う囲炉裏さん。


夢の中で、家族と話しているんですかね。


……私も、家族が愛しいです。


「家族が愛しい」そう思ったのか、囲炉裏さんが力を抜いてる手にそっと触れる。

見た目は幼く、小さくて、刀を持つような手には見えませんが、触ってみると、鍛え抜かれたけど女性らしさを感じる手。


「ふふ、甘露寺さん……胡蝶さん…」


寝言で自分の名前を呼ばれて、少しの嬉しさを感じる。

囲炉裏さんの両手には少し力が籠もっている。



「幸せな夢を」




今まで妹という立場でしたが、今の気持ちは姉の気持ちです。





囲炉裏さんにそっと触れた手は、囲炉裏さんの温もりに包まれていたのは内緒ですよ？

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