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「やめて」
そう一言だけ呟いてAの言葉を遮る。一瞬怯んで「ごめん」と絶望した顔で呟くのに「やばい、また何か勘違いさせてしまった」と自転車を降りてAの前に立って名前を呼べばぼろぼろと涙を流したまま潤んだ瞳が俺を映して揺れている。
違うよ、諦められると思ったんだよ、俺は。全部、仲のいい友達と大好きな幼馴染が幸せならそれでいいって言い聞かせてたんだよ。全然良くないのに、ほんとは好きで、ずっと拗らせて諦めてなんてひとつもなかったくせに。
「さっきAが言いかけたことは多分、俺もずっと言いたかったやつじゃないの」
なんて呟いて緊張したままAの顔を見ればぴたりといつの間にか涙は止まっていた。「え」と一度声に出してぴたりと固まったAが「慎太郎は全部松村くんのためにって思ってたんでしょ」と困惑したように瞬きを繰り返すのに「俺のためなわけないって、思うでしょ」と眉を下げて笑う。
好きな人がいつも以上に可愛くなったらどうする？幼馴染なんて尚更だ、だって「もしかして俺のことを」という期待から1番遠くに無意識のうちに自分を追いやってしまうのだから。だから焦ったよ、焦った。好きな人に何も言えないまま終わるのか、ずっと何もできないまま終わるのかって、思ったんだよ。
傷つけたことばかりだ。期待してたことが全て俺に向けてだったなら、俺は謝らなくてはならないことばかり。
好きだよ、もう伝えてもいい？そう思った頃には「好きなの！」と口から飛び出ていた。思ったより声がデカい、Aがうるさそうに顔を顰めるがどこか嬉しそうなのにこっちまで嬉しくなる。
全部聞きたい、教えて欲しい。気づかなかったこと、多分たくさんあるから、全部聞きたい。
でもまずはAの口から好きって言って。俺のこと、見て、言って欲しいよ。
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七瀬(プロフ) - lemonさん» わ〜！ありがとうございます！少しでも楽しんでいただけていましたら幸いです！たくさん更新できたらいいな〜と思ってますので最後までお付き合い頂けましたらうれしいです！ (2023年2月25日 19時) (
レス) id: 652635b4cf (このIDを非表示/違反報告)
lemon(プロフ) - ほんとにこの作品がだいすきで、 このきゅんきゅんがたまりません！！これからの更新も楽しみにしております！^^ (2023年2月22日 22時) (レス) @page16 id: b772619bf0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七瀬
| 作成日時：2023年2月7日 22時
