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「俺バスケがいい！」
なんて樹の声が響くのに「えー俺も！」とジェシーが続いて手を挙げるのに当然のように黒板の前にいる体育委員が大我を除く5人の名前を「バスケ・メンバー」と書かれた欄に記入していく。クラスメイトも大我の名前を書かないあたり慣れたものだ、多分大我体育祭の日とかその辺で昼寝してそうだしな。
リレーのところにも自分の名前が並ぶのに「…おー！がんばろー！」と笑ってクラスに叫んでみる。このままどうすればいいんだろう、俺は、何をすればいいんだろう。
そう思いながらついに迎えた当日、すっかり体育祭ムードに気分も上がってるのにどこかでモヤモヤとしている気持ちが払拭できないまま廊下をぷらぷらと歩いていれば肩あたりに誰かがぶつかって少し下から「あ、ごめん」という声が聞こえる。
「あ」
A、そう呟く前に「…じゃあね」と踵を返しそうだった腕を掴めばびくりと彼女の肩が跳ねるのに「な、にでんの」なんて苦し紛れの言葉に「バスケと、リレー」と返ってくる。一緒だね、なんてそれしか言えなくなってしまったのが、苦しくて、もどかしい。
その後も順調に勝ち進み、バスケの決勝を迎えることになる。あー、今女子やってんだ、なんて思いながら何も気にせずにコートを見ればシュートを決めて笑うAがいて思わず笑みが溢れる。
あ、かわいー、Aと呼ぼうとして、思い出して、やめた。「頑張れ」と呟いた小さい声に横にいたジェシーが「？頑張ろうじゃなくて？」と言っていた。ちょっと今だけね、違うんだ。
結局負けてしまったらしいが清々しい顔をしてコートを後にする姿を眺めてボールを手元で弄ぶ。「全部スリーしろよ慎太郎」なんて樹の言葉に「バカ言うな」と笑う。見ててくれないかな、なんか、見ててくれたら勝てる気するんだけど。
なんて、少しだけいいことも起きる物だ。ふと上を見れば友達と柵に寄りかかりながら談笑するAがいてボールを落っことす。おもむろにそのまま合った目、そのままみててよ、すきだよ、そんな支離滅裂なことを声に出さずに口を動かせば「？」という顔をしたAが俺のことを見て目線を逸らした。なんか頑張れる気するわ。
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七瀬(プロフ) - lemonさん» わ〜！ありがとうございます！少しでも楽しんでいただけていましたら幸いです！たくさん更新できたらいいな〜と思ってますので最後までお付き合い頂けましたらうれしいです！ (2023年2月25日 19時) (
レス) id: 652635b4cf (このIDを非表示/違反報告)
lemon(プロフ) - ほんとにこの作品がだいすきで、 このきゅんきゅんがたまりません！！これからの更新も楽しみにしております！^^ (2023年2月22日 22時) (レス) @page16 id: b772619bf0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七瀬
| 作成日時：2023年2月7日 22時
