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「う、わ〜…」
あのあと、慎太郎は絶対興味がないであろうアクセサリーを中心に扱っている雑貨屋に足を踏み入れれば、なんだかんだ慎太郎も「あっピアス、新しいの欲しかったんだよな」と楽しそうに物色を始めるので横を抜け出して私は私でネックレスでも見ようと棚を眺めていればひとつのネックレスに釘付けになる。それに言葉では上手く言えないけどすごく心を奪われてしまい一目散に手を伸ばして、それで、
「…どうしよう」
…微妙な値段すぎる。これを買ったら今月遊ぶ回数を減らしてバイトのシフトを増やさなきゃならないし、かと言って売れてしまっても後悔するし…と思いながら店員さんにダメ元で「これ取り置きできませんか？」と言うも申し訳なさそうに渋い返答が返ってきた。当たり前だよな…バイト代入るまで残ってることに賭けるか…と思ってネックレスの前でため息を吐けば「なにしてんの？」俺これ買ってくるわ、と不思議な顔をしながらピアスを揺らす慎太郎に「あ、さっきのお礼だから」と手からピアスを奪ってレジに歩く。
しきりに慎太郎は「は？Aもあれ買うんじゃねーの」と聞いてきたが「…ちょっと見てた、だけ」と絶対にちょっと見てただけではない口調で返してしまった。
「…じゃあいいけど」
ちら、とそのネックレスのガラスケースを見た慎太郎に会計を済ませて紙袋に入ったピアスをネックレスから目を逸らして欲しくて手渡せば「うお、そんな気使わなくてもよかったのに」でもありがと、と笑った慎太郎に頷いてしばらく喋りながら横に並んで歩いていれば急に目の前に人が横からふざけていたのか飛び込んでくるのに「うわ」と思わずバランスを崩す。ぼうっとネックレスと慎太郎のことを考えていたからだろうか。私はよくもまあこんなに転びそうになれるものだな…と案外冷静なのはすぐに焦りに変わる。
転ぶ、ヒール履いてるし、と思ったのも束の間、がしりと肩を掴まれて「あ、ぶねーな、大丈夫？」と慎太郎が心配そうに眉を下げて私の顔を覗き込むのを見上げることしかできない。あ、なにこれ、な、なにそれ、ぶわりと熱くなる体温とうるさく早鐘を打ち出す心臓に何も言葉がでないまま慎太郎の顔を見つめれば「…なんかA変だよ」顔赤いし、なに？と怪訝な顔をした慎太郎が私の顔を見つめたまま動かない。早く目を逸らさなきゃならないのになんだか逸らさなくて掴まれた肩のあたりばかりしきりに意識してしまう。
「…気つけろよ、マジで」
もう助けないよ、と笑った慎太郎でやっと意識が戻ってきた。いやだ、やめられなくなる、好きなのって、言いそうになる。
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七瀬(プロフ) - lemonさん» わ〜！ありがとうございます！少しでも楽しんでいただけていましたら幸いです！たくさん更新できたらいいな〜と思ってますので最後までお付き合い頂けましたらうれしいです！ (2023年2月25日 19時) (
レス) id: 652635b4cf (このIDを非表示/違反報告)
lemon(プロフ) - ほんとにこの作品がだいすきで、 このきゅんきゅんがたまりません！！これからの更新も楽しみにしております！^^ (2023年2月22日 22時) (レス) @page16 id: b772619bf0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七瀬
| 作成日時：2023年2月7日 22時
