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「…や、やめる！？」
「うん、好きなのやめる」
「森本のことを！？なんで！ねえって！」
「…だって私のこと好きになってる慎太郎想像つかない」
「だ、だからってやめること…」
昼休み、唯一私の気持ちを打ち明けていた友人に意思を伝えれば手に持っていたパンを落としかけるぐらいには驚いていたし「なんでAはそんな平気そうなの！」と肩を揺さぶってきた。痛い痛い！
誰もいない校舎裏で食べているため人気はないが、なんだか学校でこんな話をするのは緊張するな…と思いながらも「だから最後に少しだけ、いろいろ、してみようと思って」と呟いてストローで飲み物を啜る。
「色々って何？」
「好きな人にすること、連絡してみたり出かけてみたり、そういうの」
「…ほんとに、諦めちゃうの？」
「もうやめてよ、揺らぐじゃん」
決めたの、と笑って友人の手を握れば友人の方が泣きそうだった。なんでそんな顔すんの、やめてよ、私も泣くじゃん。
「だからどんなことすればいいか一緒に考えて欲しい」
「…それでAは後悔しない？」
「うん、しない」
「ほんとに？」
もう友人は泣いていた。森本ってまじでばか、ほんとにばか、といない慎太郎のことを睨みつけるみたいに鋭い目をして呟くのに「ばかだよねーこんなにいい女が横にいるのに」と茶化せば「ほんとだよ」と結構本気のトーンで言われた。冗談だよ、もっと可愛くていい子が慎太郎のこと好きなのいっぱい見てきたし。
「…めちゃくちゃ後悔させてやろうね」
「うん」
「Aはかわいい、最高だよ」
私が男だったら2秒で好きになってるんだからね、と何目線なのという言葉に普段なら笑えるのに今日は笑えなかった。あつい、目の奥があつい。痛い、胸と鼻の奥が、いたい。
授業が終わった後、友人は「森本のやろー許さない…」と怨念がこもってるいるような声を出して私と一緒に考えてくれた。嬉しいような複雑なような。
「一緒に帰ろうとか誘ったことある？」
「ない…なんか気づいたら一緒に帰ってること多いけど」
「一緒に遊んだことは？」
「ありすぎてわかんない…なんか気づいたら家にいる時とかあるし」
「…難しいね」
髪型変えるとか、普段と違う服着てみるとか…あとはアピールとはちょっと違うけど新しい世界…バイト始めてみるとかそういうの、かな、と呟く友人に「そうだね」と返す。
最後だもん、ぜんぶ、そういうの全部するよ。
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七瀬(プロフ) - lemonさん» わ〜！ありがとうございます！少しでも楽しんでいただけていましたら幸いです！たくさん更新できたらいいな〜と思ってますので最後までお付き合い頂けましたらうれしいです！ (2023年2月25日 19時) (
レス) id: 652635b4cf (このIDを非表示/違反報告)
lemon(プロフ) - ほんとにこの作品がだいすきで、 このきゅんきゅんがたまりません！！これからの更新も楽しみにしております！^^ (2023年2月22日 22時) (レス) @page16 id: b772619bf0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七瀬
| 作成日時：2023年2月7日 22時
