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「おはよー」
「うるさいなあ、眠いんだってば」
「挨拶じゃねーじゃんそれ」
おはようにはおはようなんだよ、そう言って乗っていた自転車から降りて私の背中を叩いてくる慎太郎に眉間に皺を寄せて嫌そうな顔をしてみる。まあ話しかけてもらって嬉しいんだけど。
そんな決意を固めた昨日、そして今日。どこからどうしようかなと冷静に考えられるぐらいにはまだ落ち着いている。…でも諦められるのかな、結構長い間拗らせてるのにさ。そう思いながら隣であくびをして「体育今日ねえのかな〜ねえよな〜つまんね〜」と独り言には大きすぎる声の慎太郎を見つめれば「見惚れたの？Aちゃ〜ん？」とからかわれた。こういうのもさ、見惚れてないっていうのわかってて言ってるんだよ、見惚れてるのにね、言わないし言えないけど。
…でもここまで悩むならもう本人に聞いてしまえばいいのでは？好きな人に何されたらうれしー？って聞いちゃおうかな、私なら冗談の延長線上だと思ってもらえそうだ。そう思って少しだけ緊張しながら「ねーそういや隣のクラスの佐藤くんと私のクラスの伊藤ちゃん付き合ったんだって」と何の気なしに呟いたという風に話を振れば「えーマジ？でもなんか雰囲気似てるよな」いいなー彼女、と呟く慎太郎に「いいよね」とぼんやり返す。
「え？彼氏欲しいの？」
「…なんで？」
「いや…別に」
なんでもないけど、そう言って私の顔から目を逸らして自転車のハンドルを握り直す慎太郎に「慎太郎は彼女欲しいんでしょ？なんか知らないけどモテてんだからさ、作ればいいじゃん」てかどんなことされたら好きになんの？と自然、平然を装って聞いてみる。心臓はうるさい、なんか、落ち着かないな。
「普段と違う姿とか見せられたら、あ〜ってなるんじゃない？」
「なにその、あ〜って」
「いやいいなーって、なるんじゃね」
元気な子が可愛い服着てたり、まあ知らねえけど、なんて自分のことだろうがよ、と思うも「ふーん」とだけ返して前を向く。「興味ねえのに聞くなよ」と笑われるのに「…確かにないや」とぎこちなく笑う。あるよ、好きな子になりたかったもん、ずっとさ。
「…てかなんか考えごととかしてんの？」
「え？」
「なんか眠そう、なだけじゃなくね？」
どうした？飯食った？と眉を寄せて私の顔を覗き込むのに「食べた、急がないと遅れるよ！」と慎太郎の肩を押して前を向く。気づくな、このまま、終わらせて。
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七瀬(プロフ) - lemonさん» わ〜！ありがとうございます！少しでも楽しんでいただけていましたら幸いです！たくさん更新できたらいいな〜と思ってますので最後までお付き合い頂けましたらうれしいです！ (2023年2月25日 19時) (
レス) id: 652635b4cf (このIDを非表示/違反報告)
lemon(プロフ) - ほんとにこの作品がだいすきで、 このきゅんきゅんがたまりません！！これからの更新も楽しみにしております！^^ (2023年2月22日 22時) (レス) @page16 id: b772619bf0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七瀬
| 作成日時：2023年2月7日 22時
