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「北斗くん」
「…はい」
「あの、私本当に全然暇してなかったんだよね」
「でも何時間待たせたと思ってんの、2時間半だよ、それよりもAが前に来てたらもっと待たせてんだよ」
「まあ確かに…」
「何時間？」
「え？」
何時間、待ちました、か、と今にも泣きそうなぐらいに下げた眉とぎゅうと結ばれたくちびるを見つめながら「い、いや…今来たとこで…」とバレバレの嘘をつくも「本当のこと言って」と言われてしまったので「こ、興奮して12時半からいます…」と告げれば目を見開いて「おれ、ほんと、」と今度こそ本当に泣き出しそうな声を出すのに「うわー！そ、そんなんじゃないから！」と思わず北斗くんの肩を掴む。
「今日ほんとにあったかいし！携帯でゲームしたり漫画読んだら2時間ぐらいあっという間で！本当に！何も気にしてない！」
「マジで言ってんの？」
俺だったら2時間もまともな連絡なしに待たせる人間許せないよ…とすっかり沈んでしまった北斗くんに「あのさあ！」と背中をばちんと叩いてやる。そんな私にびっくりしたように「え、な、なに」とぱちぱち目を瞬かせるのに「うるさい！北斗くんしつこいよ！」ともう一回叩いてやった。
「待ってた私がいいって言ってんならいいの！」
「いや、でも、」
「携帯だって充電忘れるぐらい誰だってあるし電車止めたの北斗くんなの！？」
「違う、けど」
「じゃあいい！映画観るよ！夜ご飯焼肉食べさせて！」
それでいい！とちゃっかり女っ気も全くないご飯を提案ししかも奢らせようとしている私にぱちくりした北斗くんに「なに！まだなんかあんの！」と北斗くんの顔を見れば安心したように笑っていてなんだか調子が狂う。
「な、何その顔…今北斗くん焼肉奢ることになってんだよ？しかもこんなやつに」
「いいよ」
「そ、そんなおしゃれな服とか着ちゃって、髪もちゃんとしてんのに、焼肉屋だよ」
「洗えるし、てかそんなのAもでしょ」
そういう服着るんだ、髪も巻いてんじゃん、とやさしく笑った北斗くんに思わずぐっと口をつぐむ。
なにそれ、いや、そんな優しい顔しろって言ってないんだけど、「焼肉屋？俺が奢るの？マジで遠慮ないな」とか「服に匂いつくから嫌」とか言わないの？言われると、思ってたから、さあ。
「…待たせてごめん」
「待っててくれてありがとうって言って」
「うん、ありがとう」
なんて、ありがとうって言った北斗くんの顔は見られなかった。なんか、照れ臭かったし、声だけでも、優しい顔してるって、わかるもん。
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七瀬(プロフ) - 朱音さん» ありがとうございます！ヒロインごと好きになって頂けて嬉しい限りです！かなり話数もあるのに最後までお付き合い頂いて本当に嬉しいです…！他のお話も時間がある際にでも宜しければご覧ください。コメントありがとうございました！ (2023年2月7日 20時) (
レス) id: 652635b4cf (このIDを非表示/違反報告)
朱音(プロフ) - 大好きです！愛されるべきヒロインな夢主と、図書委員の北斗くんが良すぎて一気に読み切ってしまいました、ピュアピュアな夢主と拗れてる北斗くんをナイスアシストしすぎた樹に助演男優賞をあげたいです。他の世界観も読みたくて、他の物語も楽しく拝見させて頂きます！ (2023年2月6日 1時) (レス) @page49 id: 5dbaf83bc8 (このIDを非表示/違反報告)
七瀬(プロフ) - そぼろPさん» 最後までお読み頂きありがとうございました！お楽しみ頂けて嬉しい限りです！ありがとうございます！最後までお楽しみ頂けていたら幸いです。次回作もお楽しみ頂けましたらありがたいです！ (2023年1月2日 22時) (レス) id: 652635b4cf (このIDを非表示/違反報告)
七瀬(プロフ) - akikumaさん» 最後までお読み頂きありがとうございました！最高のお言葉頂けて嬉しい限りです、、！次回作までありがとうございます！よろしければお楽しみ頂けましたら幸いです！ (2023年1月2日 22時) (レス) id: 652635b4cf (このIDを非表示/違反報告)
そぼろP(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても楽しく拝見させていただいていました。終わり方もとてもすごく好きで、全てが好きな作品でした。次回作も楽しく読ませて頂いてます！ (2023年1月1日 20時) (レス) @page46 id: cdebdf4adb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七瀬
| 作成日時：2022年12月4日 22時
