痛めつけたいサバイバー第1位*写真家* ページ10
「やぁお嬢さん。ここで何をしているのかな?」
「ハッ、はえ、イ、イケメン…」
試合が始まるとと同時にすぐ真横に現れた写真機。
私が知っている物より随分と大きく大掛かりな物だ。
珍しくてついついと触っていると、真後ろから突然声を掛けられる。
びっくりして振り返るとそこにはイケメン。イケメン。
少しひびのようなものが入っているが、まぁイケメンなので気にならない。
見惚れて突っ立っていると、「これかい?」と優しい手付きで写真機へ手を伸ばす。
一体何が始まるのか、とワクワクしてその滑らかな動作を凝視していると突然眩い光が視界いっぱいに広がり思わず「うわっ!」と顔を覆ってしまった。
「はは、すまない。驚かせてしまったようだ。」
「ビ、ビックリした…。な、なんですか?これ…」
「ふふ、後ろを見てご覧。」
と後ろを指さされたのでしょぼしょぼの目を凝らしながら振り返ると、そこには大きいスクリーンに映し出された顔を覆う私。ちょっと不細工な風に写っている。
「えぇ!?これ写真ですか!?凄いなぁ!綺麗!」
「喜んでくれて何よりだ。ただね、私の写真にはもう1つ秘密があるんだよ。ついておいで。」
言われるがまま付いていき、スクリーンの中へ飲み込まれるようにして写真世界へ入り込む。
そこには色が無かった。無、という言葉が似合う程に。
代わりに目の前のハンターに色が着き、ひびも無くなっていた。
その様子を見せびらかす様にしながら「どうだい、美しいだろう?ここでは時間が止まるんだ。永遠に、綺麗な時を過ごせるのさ。」と心底嬉しそうに喋る。
「そういえば君、名前は?私はジョゼフと言うんだが…」
「えっ、あ、わた、私はAといいます。」
「A、A、私はね、こんなに楽しいのは久しぶりなんだ。君は私の写真を理解してくれた。ねぇ、もう少し喋っていたいんだが…構わないかい?」
「えぇ…まぁ…」
と一応了承の意を見せると顔が輝き、弟君の話や中世時代の流行りなどを明るい声で話し始めた。
ハンターもこんなに優しい顔ができるのか、と見惚れてしまう程に。
そんな時、突然ゲート解放のサイレンが鳴り響く。
480人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「短編集」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すぴお - 待って最初の弁護士で腹筋ログアウトしました最高ですアザスありがとうございます応援してます!!! (2020年4月25日 0時) (レス) id: 5763911021 (このIDを非表示/違反報告)
お豆腐(プロフ) - ちょっとダークな雰囲気で世界観めっちゃすきです!夢主に感情移入しすぎて痛いw (2020年3月4日 1時) (レス) id: 4dd9818095 (このIDを非表示/違反報告)
もゆう(プロフ) - 金魚丸さん» どえぇええありがとうございます………………ありがとうございます…………。喜んで書かせていただきます………… (2020年1月26日 19時) (レス) id: 2412a78293 (このIDを非表示/違反報告)
金魚丸(プロフ) - はじめまして…!キャラの特徴だったり世界観だったりとっても大好きです…!新ハンターのアンさんが夢主ちゃんにだけめちゃくちゃ優しい…みたいなお話が見たいです、もしリクエスト受付中であれば是非お願いします!これからも陰ながら応援しています…! (2020年1月26日 15時) (レス) id: 0008ec1201 (このIDを非表示/違反報告)
もゆう(プロフ) - 綵宇さん» ぁああありがとうございますめちゃくちゃ嬉しいです……タダでは起き上がらない精神の持ち主じゃないと楽しい荘園ライフを送れないと思って意識して書いたので気づいて頂けて感激です……!!これからも更新頑張ります〜! (2019年12月26日 21時) (レス) id: 2412a78293 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:もゆう | 作成日時:2019年6月9日 18時