[第五人格]愛なんて。[短編集]

痛めつけたいサバイバー第1位{3}*ルキノ* ページ4

「おねが、お願いだよぉ。チェイスやりたくないよぉ…代わってよぉ…」

「ンな事言われても…。お前とゲームに出ると『何故か』毎回勝てるからなぁ…。しかもお前がファーストチェイスの時だけ。」

お前そんなにチェイス上手かったっけ？と不思議そうに首を傾ける仲間。上手くないよ寧ろ下手だよ。

だからこそ、あんな簡単に弄ばれてしまうんだ。




「ハァッ、ハァ、な、何だアレ…。」

ゲーム開始直後、何とかしてチェイスを貰いたくない私は仲間を探して擦り付けようとしていた所、早速会ってしまった。
いや正確には後ろ姿を見ただけだけど。

それにしても変な…形だ。
デカいのは分かるけどなんか…長い。後ろが長い。
ジッ、ともっとよく目を凝らして見る。アレは…トカゲ？

「いや怖……。離れとこう…。」

「何だって？オイ。」

「ガッ、ァ゛！」

くるりと方向転換した瞬間、上から物凄い衝撃を受けて顔面を思いっきり地面へと打ち付けてしまう。
その衝撃で鼻にビリビリと電気が走るような感覚が、あ、これダメなやつ。

「ぎぅ…あ゛、あ゛か゛、な、なんで、」

「オイオイ、とんだマヌケ面じゃねぇか。もっと良く見せてみろよ」

なぁ？と顔を覆っていた私の手を剥ぎ取るともう一方の手で露わになった鼻を思いっきり抓ってくる。
それだけでもう意識の飛ぶような激しい痛みに襲われ、喉が焼け付くような悲鳴を上げてしまう。

「ひっ、ひぎぅ…ご、ごえんなざ、許じ、あぇ゛…」

「まるで豚じゃねぇか。ハハ、可哀想になァ？…特別だ。3発、俺が殴るのに耐えられたら仲間のとこに送ってってやるよ。その後はお前にも仲間にも手出しはしない。どうだ？」

「ほ、んとれすか、おねあいしあす、もうやらの、やだ、」

「よしよし…んじゃあ1発、目っと！」

間髪入れずにお腹目掛けてパンチが飛んでくる。
さっきの比にもならないくらい重く苦しく、かつ深く深く内蔵を押し出されるかのような衝撃に思わず白目を剥いてしまい、ガクガクと痙攣してしまう。

「お゛、ごぉ！あ゛、ヒュ、ヒッ、」

「おいまだ寝るなよ…オラ2発目、ッシ」

「ゲゥッ…！ウ、ェ…オ゛ェ゛…ひゅう、ぷ…」

次のパンチも同じく腹に。
堪らず胃からせり上がってくる胃液と消化しかけの食物を垂れ流しながらついに気を失ってしまった。


気を失う直前、遠くからサイレンの音が聞こえた気がした。


＜Aがハンターを300秒牽制＞

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