救われない*使徒* ページ26
「おいヤベェぞ！今日新ハンターだ！」
「見りゃ分かるよ！喋ってないで早く解読しろよバカ！！」
ギャーギャーと騒ぎながら暗号機を叩く。
にゃあん、にゃあ、と耳元に聞こえる猫の鳴き声をウザったらしく思いながら何とか1台でもとオフェンスと共に作業を進める。
「クソ！アイツ動き止めてくるから嫌なんだよなぁ…」
「え゛、そうなの？私初めて…」
「あんな！猫に捕まんなよ！猫に捕まったらウワヤベイッテェ！」
「ぎゃあ！このバカがァ！何してんだよォ！！」
ウィリアムが手を離したのと同時に調整が入り、そのままバチリと火花が散る。
泣き叫び失態を責めるも、すぐさま赤黒い光と共にハンターが飛んできた。
ギョロリと禍々しい猫が此方を見つめる。
あ、死んだ。と身体が脱力しそうになる。
「オイコラハンター！！追うなら俺様だ！」
ドッ、と地を蹴る音と同時にハンターへとタックルをかますウィリアム。
今のうちに走れ、と目で伝えられ、腰が抜けそうになるのを堪えて走る。
「今のは挨拶代わりだぜぇ！」なんて無理矢理怒りを買う様な発言が背後から聞こえる。
彼の為にも早く解読を終わらせなければ。
(し、死んじゃったぁ…)
最後の最後に救助を失敗した。
彼は最後まで出血の酷い私に「大丈夫だ」「頑張れ」と笑って声をかけてくれた。
飛ぶ間際、泣く私に「また会おうな！」と笑って逝った。
「うっ、うぇっ、えぇええん…ひぐ…」
「…泣かないで、優しい子。」
地に伏し泣きじゃくる私の上から心配そうな声が聞こえた。
顔を上げると眉を下げたハンター。
ズビ、と鼻を啜って睨み上げる。アンタのせいなんだけど。
「貴女の心の美しさに免じて特別に慈悲を与えましょう。さぁ、お立ちなさい。」
「…ん゛。」
「良い子ですね。こちらです。」
冷たい手で握られながらハッチへと案内される。
まるで親と子だ。
「誰にだって神に愛されている。私が神を愛する様に、神もまた人を愛しているのです。」
「…私は愛してない。知らないそんな人。」
「これから知れば良いのです。貴女は神に愛されている。」
ハッチまで辿り着き、一応ありがとうとお礼を言うと彼女は微笑み胸の前で手を組んだ。
「神の加護と祝福が貴女を護るでしょう。」
「…うん。」
嘘つき。
加護も祝福も全て貴方たちが壊す癖に。
気紛れだと分かっていても惨めで惨めで仕方が無い。
死んでいった仲間達は、神に愛されていなかったの？
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すぴお - 待って最初の弁護士で腹筋ログアウトしました最高ですアザスありがとうございます応援してます！！！ (2020年4月25日 0時) (
レス) id: 5763911021 (このIDを非表示/違反報告)
お豆腐(プロフ) - ちょっとダークな雰囲気で世界観めっちゃすきです！夢主に感情移入しすぎて痛いw (2020年3月4日 1時) (レス) id: 4dd9818095 (このIDを非表示/違反報告)
もゆう(プロフ) - 金魚丸さん» どえぇええありがとうございます………………ありがとうございます…………。喜んで書かせていただきます………… (2020年1月26日 19時) (レス) id: 2412a78293 (このIDを非表示/違反報告)
金魚丸(プロフ) - はじめまして…！キャラの特徴だったり世界観だったりとっても大好きです…！新ハンターのアンさんが夢主ちゃんにだけめちゃくちゃ優しい…みたいなお話が見たいです、もしリクエスト受付中であれば是非お願いします！これからも陰ながら応援しています…！ (2020年1月26日 15時) (レス) id: 0008ec1201 (このIDを非表示/違反報告)
もゆう(プロフ) - 綵宇さん» ぁああありがとうございますめちゃくちゃ嬉しいです……タダでは起き上がらない精神の持ち主じゃないと楽しい荘園ライフを送れないと思って意識して書いたので気づいて頂けて感激です……！！これからも更新頑張ります〜！ (2019年12月26日 21時) (レス) id: 2412a78293 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もゆう | 作成日時：2019年6月9日 18時
