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魅力:納棺師 ページ19

「貴女の真っ白く細長い華奢な左脚が好きです。少しくるぶしの辺りが骨ばっているのも、幼い頃に付けたであろう薄い傷跡も好きです。でも貴女が試合で走る度、窓を超える度に使い古され、汚れていく様が耐えられない。」

そう言って彼は私の左脚に注射を打った。
すぐに感覚は無くなり、私が恐怖に叫ぶと嬉しそうに笑って鉈を手にした。
私は三本足になった。

「貴女の右腕、とてもしなやかで美しいですね。それに続く滑らかな指も美しい。でも貴女が解読を間違える度、板を倒す度にその指先が焦げて腕は柔さを無くしていくのが耐えられない。」

そう言って彼は私の右腕を縛った。
段々と鬱血して青くなっていく右腕を泣きながら見詰め、感覚が失われていくのに目を背けるといきなり鉈を振りかざされた。
私は二本足になった。

「知っています?人間って必ずしも対照的じゃないんです。それでも対照的に見せようと、それが美しさだと信じて無駄に足掻く姿は実に笑えます。ほら見て、貴女の右脚のくるぶしは骨張っていないのに膝の辺りで少し角がついていますよね。つまりこういう事です。」

目が覚めたら私の右脚を持ってくるぶしと膝の説明を始めていた。
ここまでされてどうして気が触れないのか、そろそろ出血で心臓が止まってもいい頃だろうと願ってもコイツが的確な手当のおかげで防がれているのだと悟る。
とうとう私は一本足。

「はい、これで貴女の最も綺麗な部分は半永久的に保存されます。こんなに美しい身体に出会ったのは何年ぶりだろう。やっと僕の仕事を果たす事ができた。美しさはその瞬間でないといけないんだ。本当にありがとう。」

冷たい床の感触。
ごろりと転がって彼を見上げると、幸せそうに私の左腕を抱いていた。
もう起き上がることもできなくなった私を見下ろして「そうしてると芋虫みたいですね。ひっくり返って起き上がれない芋虫。ふふ。」と笑う。
嘲笑のようにも聞こえた。
私の足は無くなった。


次の日、目が覚めると足があった。腕もあった。
三本足の時みたくまだ足が残っていた時には生えてこなかったのに、全て無くなってから生えてきた。最初から生やしとけ。

違和感も無くてすいすいと歩ける。
そのまま流されるように彼の元へ向かう。
叩くようにノックすればすぐに不機嫌顔でドアを開け、私が五体満足で居ることを視認した瞬間崩れ落ちた。

「どう?私の脚、綺麗でしょ。」

笑いながら踏みつける。

死を持って初めて意味を成す。:納棺師→←画家と私。3



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すぴお - 待って最初の弁護士で腹筋ログアウトしました最高ですアザスありがとうございます応援してます!!! (2020年4月25日 0時) (レス) id: 5763911021 (このIDを非表示/違反報告)
お豆腐(プロフ) - ちょっとダークな雰囲気で世界観めっちゃすきです!夢主に感情移入しすぎて痛いw (2020年3月4日 1時) (レス) id: 4dd9818095 (このIDを非表示/違反報告)
もゆう(プロフ) - 金魚丸さん» どえぇええありがとうございます………………ありがとうございます…………。喜んで書かせていただきます………… (2020年1月26日 19時) (レス) id: 2412a78293 (このIDを非表示/違反報告)
金魚丸(プロフ) -  はじめまして…!キャラの特徴だったり世界観だったりとっても大好きです…!新ハンターのアンさんが夢主ちゃんにだけめちゃくちゃ優しい…みたいなお話が見たいです、もしリクエスト受付中であれば是非お願いします!これからも陰ながら応援しています…! (2020年1月26日 15時) (レス) id: 0008ec1201 (このIDを非表示/違反報告)
もゆう(プロフ) - 綵宇さん» ぁああありがとうございますめちゃくちゃ嬉しいです……タダでは起き上がらない精神の持ち主じゃないと楽しい荘園ライフを送れないと思って意識して書いたので気づいて頂けて感激です……!!これからも更新頑張ります〜! (2019年12月26日 21時) (レス) id: 2412a78293 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もゆう | 作成日時:2019年6月9日 18時

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