お友達会議:ハルク ページ4
「ソー、アレって暴走かな。止めた方がいい?」
「いや、分からん。奴なりに考えがあっての行動かもしれん。」
「…いや無くない?どうしよう。ねぇキャップ。そっちは片付いた?もうハルクを止めてもいい?」
『あぁ。できれば止めてくれ。ナターシャが居るんだろ?』
「居ないよ。私とソーだけ。嘘今来た。でも大丈夫。私が止めるよ。」
『なに?正気か?いいかよくき』
ブツリ。
ソーが「後で叱られても知らんぞ。」とニヤニヤしながら肩を抱いてくる。
笑い返しながらそっと肩から手を退かす。触るなという固い意思を持って。
「薄情者め。助けてやらんぞ。」
「必要ない。彼なら私だって分かってくれるよ。」
ヒラヒラと手を振りながら前へ進む。
緑の大きな震える背中へ向かって「大男さん」と呼びかければたちまち凶悪な顔で私を睨みつけてくる。
「ねぇ、大丈夫だよ。私の言う事分かる?私達は友達。傷付けない。」
「バナーの友達。ハルク 友達じゃない。」
「友達だよ。一緒に闘ったし、こうして話してる。立派な友達だ。」
「バナーが好き。バナーと話す。 ハルクは違う。ハルク、嫌われる。」
「(ソー!!!どうにかして!!)」
思った以上の強情っぷりに思わず後ろへ待機している彼へ口パクして伝える。
その様子を見ても笑って手を振るだけの彼に覚えてろ、と笑い返す。
「ハルク、よく聞いて。私は君が好きだよ。君のその…素晴らしい『癇癪』も、あと…あー…画期的な『暴力』だったり…そうだ1番は君のその素直な性格だよ。ね、一旦眠るだけでいい。また会えるから。」
「…バナー 許さない。ハルク 起きれない。」
「大丈夫。君が眠った後バナーとよく話すから。本当だよ。私もまた君に会いたいからね。」
「……。」
「ねぇ、君はあそこでアホ面引っさげてる奴より頭が悪い訳じゃないだろ?それに、私は君と会話できることが何よりも嬉しい。」
「聞こえてるぞ。」
しばらく下を向いていた彼が顔を上げ、何か寂しそうに唸ると大きな手の平をこちらへ差し出してきた。
微笑みながら手の平を重ね、次は両手で緑色の太い指を包み込む。
次の瞬間にはするりと私の腕の中をすり抜けて彼は走り出す。
ふぅ、と一息ついて見送っていると後ろから「いつの間に仲良くなったの?」と声がした。
「さぁ?にしても彼、あんなにロマンチストだったっけ?手を握るなんて久しぶりだよ。」
「嬉しかったんだろ。さぁ戻るぞ。説教の時間だ。」
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岡P(プロフ) - 初めて読ませて頂きました。どのお話もとても面白く楽しませてもらいました。これからも素敵な作品楽しみにしています。 (2022年3月9日 21時) (レス) id: eaa010ae17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もゆう | 作成日時:2020年4月30日 21時