厄介者*ハリー・ポッター×MCU(ロキ)* ページ16
「狭い部屋だな。使用人の部屋と変わらないではないか。」
ジロジロと顎に手を当て物色するように歩き回る長身の男。
真夜中の突然の訪問にパク、パクと声にならない言葉を繰り返す1人の女生徒には目もくれず、半ば面白がるように部屋の置物やら絵画やらを眺める。
「とはいえ、人間程度にはこの位が丁度良いのかもしれんな。おや、こんな所に菓子が。掃除もろくにしないのか?」
「い、ぁ、っんでここに…、え?」
「驚いたろう、お前を見付けるまで随分掛かったぞ。小賢しい結界やら誤魔化しの魔法やら…まぁ私にとっては子供騙しも同然だが。」
フン、と鼻を鳴らして若干胸を張る姿を見て更に更に顔を青くし頭を抱える少女。
ううん、と隣のベッドで寝ている別の女生徒が唸り、次の瞬間には布団を跳ね除け怒声を響かせる。
「どうして電気なんて付けてるの!?A、消灯の時間はとっくに……」
憤懣やるかたない、と言わんばかりに声を張っていた彼女だが、涙目で顔を青くしている友人の姿を目に入れ、次に見知らぬ長身の男の姿を目に入れると、徐々にその声も小さく掠れていく。
2、3秒経っただろうか。
状況が飲み込めず沈黙していた彼女がようやく異常に気づき、甲高い悲鳴をあげる。
「また会おう。」と悲鳴と同時に悪どい笑みを浮かべて姿を消す男。
次の瞬間には隣部屋から杖を持った別の友人達が駆け付ける。
「なぁに!?一体どうしたのハーマイオニー!」
「い、い、今!今男が居たの!きっとシリウスだわ!」
「どうしましょう、取り敢えずマクゴナガル先生に報告を!その男はどこに行ったの?」
「知らない!消えたわ!」
ねぇA!と彼女の名前が呼ばれる。
心配そうな視線に怯えた視線、様々な全ての視線が彼女に集中する。
「A?」
だが彼女の頭の中は「これからの安全な学校生活」が脅かされる危険と「退学」の可能性とで1杯だった。
魂が抜けたように沈黙する友人の姿に堪らず「この子は校医の所に連れて行くわ。」と率先して手を引いて行くラベンダー。
「A、大丈夫かしら…。」
「ねぇなぁに?なんの騒ぎ?」
暫く経った頃、目を擦りながら談話室に降りてきたのはAと共にマダム・ポンフリーの所へ向かった筈のラベンダー。
「ラベンダー!あなた何してるの!?Aは?」
「ハァ?Aが何?」
寝ぼけ眼で首を傾ける彼女を見て、全員が青冷める。
じゃあアレは一体誰だったの?
目立ちたがり屋*ハリー・ポッター×MCU(トニー)*→←やさしいひと。*オズワルド*
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岡P(プロフ) - 初めて読ませて頂きました。どのお話もとても面白く楽しませてもらいました。これからも素敵な作品楽しみにしています。 (2022年3月9日 21時) (レス) id: eaa010ae17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もゆう | 作成日時:2020年4月30日 21時