必要不可欠 gr ページ5
*
昔から、私はグルちゃんの隣にいる。
『グルちゃん、呼ばれてるよ』
「…あぁ」
親同士も仲がいいし、お泊まりだってした事ある、ただの幼馴染み。
グルちゃんはモテるから時々、こうやって女子の呼び出しを手伝ってる。
「…戻ったぞ」
『早いね、何だった?』
「告白」
『断ったの?』
「当たり前だ」
断る理由は知ってる、グルちゃんには好きな人がいるから。
誰かは分からないし本人から聞いてない、いわゆる幼馴染みの勘。
…でも、本当は悟った時にショックを受けた。
だって私は昔から、グルちゃんがいないと生きていけないから。
「A、今日は持ってきたか?」
『…あ』
「……また忘れたのか、貸してやる」
『ごめん、ありがとう』
別に病んでる訳では無い。
ただ、今のグルちゃんは私を助けてくれるけど彼女が出来たら助けてくれなくなる。
そう思ってるから、彼女なんて作らないでほしい。
「グルッペン君、ちょっといい?」
「構わん。A、少し席を外すぞ」
グルちゃんはクラスの委員についていった。
待ってる間、本でも読もうかと考えていたらトントンと肩を叩かれた。
「Aちゃん、やっほー」
『大ちゃん…!』
大ちゃんは女子にモテる、それなのによく私の所に来てくれる。
大ちゃんはさっきまでグルちゃんが座っていた席に座り、ニコニコしながら手を握ってきた。
「なぁなぁ、今日の放課後暇?」
『特に用事はないよ』
「じゃあさ!帰りにクレープ屋行こうや!」
『…どうして?』
「放課後デート、した事ないやろ?」
デートと言われても、私と大ちゃんは付き合ってない。
しかし、放課後に寄り道はした事ため少し興味がある。
『行きたいけど、私はグルちゃんと帰る約束が……』
「そんなんええやん、ずっとグルちゃんと帰っとるやんか!」
『でも、昔からの約束だし…』
「Aちゃん、グルちゃん離れの練習やと思い?ずっと一緒におるやん」
確かに、少しだけ離れてみるのも…と考えたことはある。
でも、気が付けば隣にグルちゃんがいる。
「グルちゃんも好きな人おるんやし、たまには離れなあかんやろ?」
コソッと耳打ちしてきた大ちゃん。
その通りだけど、私はグルちゃんから離れる事は出来る気がしない。
『そう、だけど……』
離れようと思っても離れれない。
だって私には、グルちゃんが必要なんだから。
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こんにゃく - お疲れ様でした。とてもなめらかで綺麗な文章を書かれていて、読んでいてとても幸せでした。本当にありがとうございました。 (2019年5月17日 20時) (レス) id: 0fb3eb8127 (このIDを非表示/違反報告)
羅(ろう)(プロフ) - はるさん» 小説を読んでくださりありがとうございました。好きと言ってもらえてとても嬉しいです。これからも無理をしない程度に頑張ろうと思っています。今まで本当にありがとうございました。 (2019年5月15日 20時) (レス) id: 14801f692c (このIDを非表示/違反報告)
羅(ろう)(プロフ) - キヅキさん» 小説をいくつか読んでくださりありがとうございました。他の場所で巡り会える確率は低いと思いますが、キヅキ様のような優しい方に読んでもらえるように頑張ります。今まで本当にありがとうございました。 (2019年5月15日 20時) (レス) id: 14801f692c (このIDを非表示/違反報告)
羅(ろう)(プロフ) - 葉月さん» 最後まで見てくださり、ありがとうございました。リクエストをくださった時は本当に嬉しかったです。Twitterのフォロー申請は鍵垢なら全て通しているので、お気軽に申請してくださっても構いません。本当に、今までありがとうございました。 (2019年5月15日 20時) (レス) id: 14801f692c (このIDを非表示/違反報告)
はる - お疲れさまでした。小説、面白かったです!大好きです!これからも、頑張ってください。いつまでも、応援しています。本当にお疲れさまでした。 (2019年5月8日 3時) (レス) id: d3b8419922 (このIDを非表示/違反報告)
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