続き ページ36
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あれから関わりは全く無く、3年になった。
クラス表を見ると、シャオロン君と同じクラスだという事に気がついた。
その時はまだ、何も思っていなかった。
「…文化祭めんど」
時は流れ、二学期。
また私はシャオロン君と隣になった。
文化祭の舞台練習が始まり、私も部活の作品作りと舞台の放送の仕事を両立していた。
シャオロン君は生徒会劇の練習を頑張っていた。
『効果音のタイミング、間違えたらごめんね』
「ええよ。俺もミスらんように頑張るわ」
私は生徒会劇の音響担当になった。
集まりで担当を決める際、私は立候補したのだ。
理由は「面白そうだから」と「部長の頑張る姿が見たい」という簡単な理由(私の部活の部長は副会長になってるから)
天然猫娘と名付けられていた後輩と協力し、暗闇の中、放送席で懐中電灯で台本照らしながらパソコンをいじった。
これでも私は頑張っていたのだが、1度だけ、シャオロン君のセリフと効果音が重なってしまった。
これは私のミスではなく彼のミスだが、私は手のひらを合わせ、ものすごく謝った。
暗闇だから多分見えてないので私は次の日、彼にきちんと謝った。
『昨日はごめん。これからはもっと気をつける』
そう言ったら、シャオロン君は笑った。
「ええって、あれは俺が悪かったんやし。気にしたらあかん」
『…ごめんね』
多分、これが1番最初にシャオロン君とまともに話した会話。
それから、私はシャオロン君と時々話すようになった、笑うようにもなった。
「今日の放課後練ってあったっけ」
『無かったと思うけど…予定表見せよっか?』
「あざーっす」
顔を近づけ、予定表を見合う時もあった。
…その時に何故、私は好きだと思ってなかったのだろうか。
思ってたら、積極的になってたのに。
「じゃあ、隣近所の人と交換してー」
とある社会の授業、小テストが始まった。
普通、同性同士で交換して丸つけをするだろう。
しかし、私の周りには女子がいなかった。
男子に声をかけようか、それとも黙って自分で丸つけをしようか迷っていた。
「はい」
『…え』
「交換。Aさんの貸して」
シャオロン君は、自分から渡してくれた。
周りにはシャオロン君と仲がいい男子が何人かもいたのに、私と交換してくれた。
私は嬉しかった、彼は助けてくれた。
『…ありがとう』
それからも、彼は小テストの時には交換してくれた。
…私はちょろいからさ、多分この時に好きになったのかな。
ちょっとした扱いで、ね。
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こんにゃく - お疲れ様でした。とてもなめらかで綺麗な文章を書かれていて、読んでいてとても幸せでした。本当にありがとうございました。 (2019年5月17日 20時) (レス) id: 0fb3eb8127 (このIDを非表示/違反報告)
羅(ろう)(プロフ) - はるさん» 小説を読んでくださりありがとうございました。好きと言ってもらえてとても嬉しいです。これからも無理をしない程度に頑張ろうと思っています。今まで本当にありがとうございました。 (2019年5月15日 20時) (レス) id: 14801f692c (このIDを非表示/違反報告)
羅(ろう)(プロフ) - キヅキさん» 小説をいくつか読んでくださりありがとうございました。他の場所で巡り会える確率は低いと思いますが、キヅキ様のような優しい方に読んでもらえるように頑張ります。今まで本当にありがとうございました。 (2019年5月15日 20時) (レス) id: 14801f692c (このIDを非表示/違反報告)
羅(ろう)(プロフ) - 葉月さん» 最後まで見てくださり、ありがとうございました。リクエストをくださった時は本当に嬉しかったです。Twitterのフォロー申請は鍵垢なら全て通しているので、お気軽に申請してくださっても構いません。本当に、今までありがとうございました。 (2019年5月15日 20時) (レス) id: 14801f692c (このIDを非表示/違反報告)
はる - お疲れさまでした。小説、面白かったです!大好きです!これからも、頑張ってください。いつまでも、応援しています。本当にお疲れさまでした。 (2019年5月8日 3時) (レス) id: d3b8419922 (このIDを非表示/違反報告)
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